高取城登城 その2

 さて。さらに進むと,車道と再合流であります。
 これまで,最初に五百羅漢で追い抜かれた人以外の霊長類はついぞ目にしてきませんでしたが,さすが車道との合流点。オートバイで上がってきたであろう方が看板の前におられました。
 普段,オートバイなんて怖くて免許取得を考えたこともないのでありますが,こういうときに身軽に登ってこれられる姿を見ると,うらやましくなってしまいます。まあいいさ。こちとらどこまでもスーツと革靴で進んでやる。

解説 史跡指定範囲 城内 簡易トイレ2基 さらに登る 奥に社


 登り始めてから,(五百羅漢前でのストップを含めてますが)1時間以上経っておりますが,こうして城の気配が高まってくると俄然やる気が出ます。そんなわけで,地図上では「上り急」とかかれている場所も元気に登っていけます。

 そして,ついに石垣が登場します。これは嬉しい。それにしても,車道もない時代に,どうやってこれだけの石垣を運んで積み上げたのでしょうか。備中松山のように天然の岩との融合も美しいですが,これはこれで凄い。
 で,現れる壺坂口門跡。どういう門だったのかは分かりませんが,山を駆け上がってきてここに門が見えたら壮観だろうなあ。

地図 上り急 石垣 石垣!! 壺阪口門跡
読解困難な立看板 門からさらに城内 門から後ろを振り返る 落石注意


 そんなわけで,壺坂口門を抜け,続いて壺坂口中門。ほんと,こんな山の中に門が続いてるって姿は想像がつきません。当時草木はどれぐらい生えていたのでしょうか。
 地図に依れば,このあたりにも屋敷があったらしいのですが,こんな山奥に屋敷が並んで,水は枯渇しなかったのでしょうかね?

草の奥に石垣が 中門跡 ちゃんと道が折れ曲がります 右手の石垣
案外サイズがばらばらですが
しっかり残っております
門の先
当然一直線ではありません
城内の地図 ここも草の奥に石垣 たぶん手前の木はなかったんだろうな 立派な石垣 とはいえ,草が出ているので
時代を感じますね
根っことかで石垣が
やられたりはしないのでしょうか


 こうして,一歩一歩城内に侵入していきます。
 それにしても,当時の武士たちはこんな山奥までよく登ってくるよなあ。大工さんもたいしたもんです。

 で,いよいよ見えてきました,大手門。テンションが上がります。
 ぶれている写真が散見されるのは,山の中で暗かったこともありますが,疲れていたこと,早く本丸に行きたくてしっかり立ち止まって写真を撮る心の余裕が無かったことが原因なのであります。

大手門跡
真ん中の木はさすがに
当時は無かったんでしょう
右手の石垣の様子
見事に残ってますね
当時の写真と
それに基づく再現CG
こんな山奥にこんな櫓群があったとは…
ハイキングコース やはりぶれている大手門の写真
枡形に入って右手 中に入っていきます なんとも見事な石垣群 この上に櫓がある姿は…夢が広がりますな


 そんなわけで,大手門を突破して二の丸に入っていきます。ドキドキ。
 そして,多聞の石垣を右に曲がり,さらに進むと……!広々とした二の丸,そして左手に,石垣!
 ここまで登ってきて,疲れて緊張の糸が切れたからなのかなんなのか……思わず,「おおっ」と声が出てしまいました。自分が記憶する限り,ここまで「思わず」声が出たことはそうそう滅多にありません。いや〜,すごい。ここまで登ってきた甲斐がありました。
 目の前にそびえる石垣が天守台なのかなんなのか気になるところではありますが,とりあえず二の丸の東屋で昇級し。水分と栄養を補給します。歩いてたからなんとも思わなかったけど,立ち止まるとさすがに寒い。

十三間多聞跡 正面 右に曲がる 見下ろす 右手には昔櫓があったんだろうな
石垣が見えた! 日本三大山城 沿革 振り返る 昔はここにお手洗いがあったのでしょう 引目に石垣


 東屋で水分と栄養を補給して,いよいよ本丸を目指すこととします。これ,ここを攻めようと思ったら当然東屋で一服なんてしてる場合じゃないわけで,思い武具防具持ってここまで攻め込むのはほんと大変だよな〜。

 で,目の前の石垣の左手をまわって進むと……
 うわっ!またも目の前に高石垣。自分がきちんと地図を見ていなかったのが悪いのですが,先ほど二の丸から見えていた高石垣は,天守台ではなかったのであります。二の丸の次は本丸ではなく,もう一層あったのでした。この山奥によくぞここまでの重層構造の城を築き上げたものよ……。
 太鼓櫓跡の石垣に登って,二の丸方向と,この段方向を見下ろします。いやぁ,いい眺め。二の丸全体を見下ろすことが出来ます。また,明日香清水谷ルートでの登城口もここから見下ろせますね。きわめて重要な曲輪だったんだろうなあ。ただ,こっちルートについては,特に城門の名前とかが地図に書かれてません。現代になってハイキング客向けにつくられたのかな?

ぐるっと回って 上の段へ進んでいきます 目の前にさらに石垣!! 後ろを振り返る ここにも櫓があったんだろうなあ
二の丸方向を見下ろす太鼓櫓と新櫓跡 二の丸方向 明日香清水谷ルートからはここ 二の丸から上がってきたらここ
本丸方向 新櫓方向 明日香清水谷ルート方向の石垣
太鼓櫓方向 本丸方向 下から本丸方向 高取城趾 本丸天守台石垣


 そんなわけで,予想外の曲輪を突破して,いよいよ本丸突撃であります。

天守台石垣
苔が生えているのが時代を感じさせてGoodですね
巽高取 雪かとみれば
雪でござらぬ 土佐の城
進んでいきます 振り返る
本丸に入っていく 振り返る なんと美しい虎口か!


 というわけで,本丸です。いやはや,長かった,疲れました。
 まあ,お城マニアの方々や登山好きの方々にしてみれば,「高取くらいで音を上げるとはこれだから軟弱な現代人は……」という話なんでしょうが,軟弱を絵に描いたようなヘタレNPにしてみたら,高取登城だけでも一大事なのでありますよ。まあ,スーツに革靴(ウォーキング用だけど)だったってこともあるので許してください。

見よこの絶景 本丸
本丸 解説 何カ所か修正が入っています
なんの跡だろう?井戸? 天守台方向 天守台へ 天守台の中 こんな状態でよく大丈夫だな
太鼓櫓方向の曲輪を見下ろす 横から見る天守台 本丸 説明板が倒れてます 何が書かれてたのかは分からず
別角度からみる虎口 小天守台方向 天守台に上ってみた 天守台から見る本丸 太鼓櫓方向を見下ろす 高取山


 そんなわけで,本丸をあとにします。
 なんども繰返しになりますが,この山の上にこんな石垣を築き上げたことは,もやしっ子NPには想像できません。さらに,こんな山の中に天守や櫓が並んでる姿がほんの百数十年前まであったとは……。明治は遠くなりにけり。いわんや天正をや。

もう一度天守台石垣 もう一度太鼓櫓新櫓台石垣 二の丸から太鼓櫓新櫓台石垣 もう一度大手門跡


 そして,そのまま大手門を出て,三の丸へ。
 ちなみに,吉野口・旧侍屋敷方向も気にはなっていたのですが,いかんせん時間と体力に限りがあるのでパス。

千早門跡 石垣


 てことで,あとは山を下っていくだけだから,行きよりは楽……なはず。

高取城その1高取城その3

旅行記