クシロエスカル

 釧路湿原というと,既にかいたとおり小学校の頃「最新の国立公園」として覚えさせられた記憶があります。
 それ以外,釧路という響きからは「道東」という,なんとなく浮かび上がる北海道の東の方の広い草原地帯の絵しか出てきません。その釧路の王様が天皇賞を勝つんだから世の中分かりませんね。という具合に,ほかに釧路から思い浮かぶのはクシロキングだけです。なお,MilkyHorseの列伝によると,クシロキングの「クシロ」は,馬主さんの出身地が釧路であることからつけられているようです。話は飛びますが,MilkyHorseって今どういう経営になってるんでしょうか。本体のウェブサイトがボロボロになってるのはなんとかならないのか……。

 さて,無事スーパーおおぞらで釧路に着きました。まずは本日の宿泊地,エスカル釧路に荷物を置きます。なお,「エスカルクシロ」あるいは「クシロエスカル」という馬は発見できませんでした。表題をつける能力のない私としては,とりあえず本稿をクシロエスカル,次稿をクシロキングとしておきます。なお,ここは本来会員会館であったものを横文字の入った名前に変えて一般人にも開放しているようです。……と思いながらぼけーっとネットを見ていたら,なんと2015年9月30日付で閉館しておりました。おいおい,おいらが行ってから2ヶ月未満じゃないか。ちょっと衝撃です……。非常にフロントの対応がよくて好印象だったこともあり,かなりびっくり。釧路新聞によると(魚拓),前年12月時点で閉鎖は決まってたんだな……。

スーパーおおぞら 釧路駅 歓迎されました 釧路グレース教会
結婚式に使えと
言わんばかりの外観
ちゃんとミサも
やってるのでしょうか
エスカル釧路 和室

 さて。夜は釧路名物泉屋のスパカツを食べに行きます。下戸としては,こういうお酒の絡まない名物料理があると非常に助かります。
 欠点は,駅から泉屋が若干遠いこと。まあ仕方がない。道中,いかにもWINSかボートピアがありそうな繁華街を抜けました。しかし,驚いたことにここにはいずれもありません。なお,郊外にあるサテライト釧路がぶっつぶれたことはなんとなく知ってました。これは知らなかったんですが,実際にはボートピアもWINSも存在はしたものの郊外にあり(そりゃまあ車社会だから繁華街に設置する方がおかしい),ボートピアも見事ぶっつぶれているようです。また,まったく本題とは関係ありませんが(サテライトの話してる時点で既に無関係なんだが)「サテライト釧路、待望の設置!!」という記事がネットで引っかかって仰天してしまいました(ここ)。まっとうなDNA鑑定屋さんのようです。「サテライト」から場外車券売場しか思い浮かばない廃人は本当に困ったものです。

 で。泉屋に到着。中は行列です。そりゃそうだ。3連休の中日の夜ですから。3連休の中日の夜だけあって,お客さんは家族連れが多い。そりゃ洋食屋さんだものね。そこにめでたくアラフォーを迎えたおっさんが一人……。で,待った結果通された席がまさかの5人掛けのテーブル席。いやですね,別にそれが寂しいとかそういうのでなく(そんなこと思ってるなら最初からこんなところに行かない),これだけ行列できてるのに1人客を5人掛けのテーブルに通して,しかも相席させないって無駄じゃないっすかね。いや一人で大きめの席使えたのはありがたかったんだけどさ。
 そして,アラフォー記念に何をとち狂ったか大盛を頼んでしまいました。アホすぎる……。いや,おいしかったんすけどね。雰囲気としては,地元の名物大盛スパということで松山でゅえっとのミートスパを思い出しました。てか,でゅえっとが急に懐かしくなってきた。

途中停車場跡地を通った 泉屋! 大盛 店内 ショーウィンドウ

 さて。3連休最終日です。3連休ってなんで3日しかないんですかね。5日くらい欲しいです。実は5日あった3連休!とかないですかね。なにをわけ分からないことをいっているのか自分でも分かってませんが。

 釧路というと,観光客のお目当ては和商市場になるようです。この和商市場はエスカル釧路から徒歩1分弱。なので行ってみました。競馬から解き放たれるとこうも一般観光客と同じルートをたどるんですな。
 中は魚市場でして,ここの特徴はどんぶりに入ったご飯を最初に買って,その後いろいろなお店で魚を買い足して自分で海鮮丼を作れることにあります(勝手丼というらしい)。誰が考えたのか知りませんが,なんとも頭のいいシステムですね。ところで,Wikipediaの勝手丼からの歴史のページのリンクが切れてるのはいいとして,和商市場のホームページを見たら「活き活きマルシェ」とか言ってですが,どうしてこんな場所にフランス語を持ち込もうと思ったのでしょうか。
 が,ひねくれ者のNPはそういうシステムを完全に無視して,和食屋さんで時鮭定食を頼みました。おこちゃまなアラフォーなので酒は飲めないけど鮭が好きなのです。

和商市場へ 内部案内 お店が並ぶ 市場亭 時鮭定食

 さて。準備は整いました。いざ釧路湿原。
 さてさて。とはいえ,そもそも釧路湿原って有名ですが,観光客は湿原でなにをしたらいいのでしょうか。競馬でもやってるなら競馬見に行くんだけれども。
 で,いろいろ検索した結果,どうも一般の観光客は展望台から展望して,散策ルートを散策するっぽいということが分かりました。なるほど,健康的ですね。また,散策するとか一口に言っても釧路湿原は広いわけで,どこを歩けばいいのか素人には分かりません。で,いろいろ検索した結果(とてつもなく参考になったサイトがあったはずなのですが,なぜか携帯にブックマークされておらず,今検索しても見つからない……ううん,残念),バスで釧路市湿原展望台→その周りの遊歩道散策→北斗遺跡→鶴居軌道敷跡→温根内木道→バスで帰還,というルートを設定しました。結論から言って,アラフォーな自分の体力に見合ったいいルートだったと自画自賛します。欠点はタイミング的にガイドツアーに参加するのが難しいことか。やっぱり専門家の話を聞いてちゃんと草花見ないと分からんよな……。次回があるかは分からんけれど,これは今後の課題。なお,今(2016年5月)見てみたら今年(2016年)の4月6日から北斗遺跡との合流点から旧鶴居軌道間の区間が通行止めになっており,開通時期未定とのこと。なんと,木道が壊れたかなにかしたのだろうか……。なんにせよ,いいタイミングで行ったんだな。

 てなわけで,コインロッカーに鞄と昨日入手したキッチンペーパーを突っ込んで,バス停へ。釧路のバスターミナルはスーパーホテルの1階を間借りしております。もしかしたら建物はバス会社が持っててスーパーホテルに貸し出してるのかもしれませんが,まあどっちでもよい。

スーパーホテル&バスターミナル 新旧バス乗り場案内

 で,バスに揺られて釧路湿原展望台に到着。なお,バスで乗り込む暇人は少なく,この時間はNPのほかに数組だけでした。一人だけで乗り込む寂しい奴はNPだけでした。

 この展望台は有料展望台でして,博物館やお食事コーナーが併設されております。NPは公共交通機関で乗り込んでるので車の心配をする必要がないのですが,おそらく大多数の乗用車組はここを拠点に木道をぐるっと回るコースをとっておられるのではないかと思われます。

バス停 霧とロマンの町らしい 展望台本体はともかく
向かって右手のよくわからない
部分にいくらかかったのか
知りたくなります
案内板×3
左2つは若干年季入って見づらくなっております
面積が変わったのは環境やらなんやらの変化のためかな?
あと,これを見て釧路市と釧路町があることを知りました


記念撮影できます ニジマスとヤマベのいる水槽 目玉のイトウは休養放牧中でした
それにしても,カエルやネズミを食べるって想像がつかない
展示室はこんな感じ 屋上展望台へ 屋上からの眺め
湿原自体はちょっと遠いですね
この時点ではいまいちどこを歩くのかよく分かってなかった
周辺案内図 ここを降りて出口へ
なかなか凝った建築で
まだまだ余裕のあった時代に
(あるいは国立公園化して
予算がついた時代に?)
つくられたと思われます

 まあ,なんといいますか,ここまできたはいいものの,いまいち「湿原で何をするのか」がよく分かってなかったんですよね。過去形にするってことは現時点で分かってるのか,と聞かれると困りますけど。とりあえず,博物館では素人にも分かりやすい魚部分に目が行きましたが,湿原内・湿原を通る河川内を泳ぐ魚を見られるのかといったら,多分答えはノー。
 もちろん,「幻の魚」,「湿原の主」などの異名をもつイトウについて知ることができたのはよかったです。なお,Wikipediaさんによると,名前の由来は糸魚ということで,別に伊藤さんが発見したとか,伊藤竹男がキタノオーザで菊花賞を優勝した記念に名付けられたとか,そういう面白い話はない模様。ちなみに,魚ではなく馬の方のイトウがジャパンカップに出走したのはこの年(2015年)の秋のことでございます。

 とまあ,ごたくはさておき,出発します。
 なんかヒグマ出没注意とか出ていて,さっそくびびります。一応スマホには甲州遠征時に使った熊鈴アプリが入ってはいるんだけれど,効果のほどは分からんし。さらにスズメバチまでいるとか,もうヘタレNPの心を折る気満々ですな。

ひぐま,すずめばち,そしてきつねまで……
そりゃまあ勝手に自然に入っていく人間が悪いのは分かってますけどね
野鳥 古めの案内板。古いので英語は無しです
かつては26,861ヘクタールだったみたいなので
今は広がってるんですね。逆かと思った

 というわけで,ようやく歩き始めます。続く。

鹿追ばんば大会釧路湿原その2


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