川口オート探検

 過去に川口オートに行ったのは,自分が記憶する限り2回。初めて行ったときが一般戦だったのか特別レースだったのかすらも記憶からぶっ飛んでおりまして,2回目に行ったのは2014年のSS王座決定戦のときであります。

 んで,最初に行ったときの記憶はすでにぶっ飛んでますし,2回目のSS王座は当たり前ですが混雑していて場内をうろつく余裕なんてありませんでした。
 というわけで,スタンドが大幅に取り壊されるという噂を聞きつけ(なお,どのスタンドが取り壊されることになったのか,大体の予想はつきつつも未だによく分かっていない),丁度休みが入ったので単身乗り込んでみました。11月の月曜日,一般戦の準決勝がおこなわれるという,まあ普通の日であります。

 それにしても,SS王座のときは南鳩ヶ谷から歩いて行ったし,前々回の記憶はぶっ飛んでるわけで,それなのになにゆえ川口オート行きのバス停の乗り場はきちんと理解していたのだろうか。もしかしたら初回はあちこちさまよった結果バス停を発見したのかもしれないな。

 西川口から川口オートに入ると,北門から入場することになります。前回南鳩ヶ谷から入ったのが正門なんですね。
 で,とりあえずレースが始まりそうだったので,北門の正面に鎮座する巨大スタンドにのぼってみます。ここも撤去されるんでしょうかね??屋根も整備されていて,傾斜もそれなりにあるスタンドなので,残念ですな。


 とりあえず久々にオートレースのモーター音を聞いて気持ちよくなったので,昼を食べに行きます。
 北門から入場して,そこそこ歩いて食堂街に到達するから,食堂街ってホームの真裏にあるようなイメージを勝手に抱いちゃうんですが,ちょっと北に寄ってるんですよね。昔からここでだまされてきた。川口は自分が想像してるより広いんだよな。川口の案内図も,2号スタンドが小さく見える書き方になってるけど,これもちょっと違うし。

北門まわりの様子 5号スタンド内の予想屋さん

 それにしても,川口の食事はザ・ギャンブル飯という感じでよいですね。毎日食べてたら塩分過多で死ぬと思いますが,でもたまに食べたくなる食事であります。


 さて,とりあえずメインスタンドへ。川口では「オートピア」と呼んでいるようです。響きだけ聞くと競艇のボートピアに似てますね。競艇は船を使ってるから“pier”を使うのは分かりますが,オートレースはどういう意図でこの名前をつけたんでしょうか。
 そして,ここの2階から裏手に出ることができます。食堂街を歩いていても,裏手があることに気付くのではありますが,混んでいてどうしようもないならばともかく,レースもやっていない・穴場もない2階にあえて乗り込むなんてことはしたことがありませんでした。で,あえて乗り込んだ結果,あえて乗り込む必要は無かった,という当然の結論に至ったのでした。

オートピア全体案内 オートピア1階。川口のメインスタンド1階だけあって,一応は画面も多く,きれいです
1階席からの眺め 椅子はちょっと高級な
雰囲気に変わります
スタートやコーナーはよく見えます
2階席案内図 一応エスカレーターが
ついているのです
オートピア2階 休憩コーナー
中に無料のお茶がある
女性専用ルーム
絵の雰囲気がオートレースです
社協食堂ふじ
2階から外に出ます オートピアを見回す どう拡張したのか不明ですが
なぜ段差を作ったのだろうか
下を見てみる
ここで遊んではいけません
サッカーの国埼玉だけに
サッカーボールです
広々としております ハッピーランド。レデースルームは女性専用なので,父親や男の子はこちらへ
日曜と祝日のみのようです
振り返ってみた
オートピア3階 3階からの眺め
天井が低いので,後ろの方から見るとそこそこ圧迫感がありますが
コース全体を見ることはできます
今は亡き公衆電話
「あんないジョーズ」というサービスの存在は
このとき初めて知りました

 オートピア3階から,2号スタンド3階に入ります。2号スタンドは,スタンドが存在しているだけ,という感じで,廃墟一歩手前な雰囲気です。「ここが耐震強度満たしていないために取り壊しになる」と言われても,特に何も異論がないですね。ですが,このスタンドは思った以上に広く,SS王座でここに収容されていた人はいったいどこに向かうことになるのでしょうか……。
 中を歩いていて思うのは,(廃墟となった)食堂が多いことです。全盛期にはこれだけ食い意地の張った人たちがこのスタンド内にいたのでしょうか。例えば埼スタや横浜国際なんかでも,スタンド座席数に対してここまでの数の食堂・売店は無いように思うんだよな。もちろん,試合前とハーフタイムにしか食事需要の無いサッカー場とレースの合間に需要が発生するオートレース場を比較しちゃいかんのだけど。でも,同様に食事タイミングの多そうな札幌ドームを思い返しても,ここまでの数の食堂は無かった気がするんだよな。記憶曖昧だけど。
 あと,川口オートに限った話じゃないのですが,公営競技場では「社協食堂」というものをよく見かけます。社協って,どっちかというとギャンブル反対な左側にいるイメージだったんだけれど,そうでもないんでしょうかね。まあ,同じく左がかった労組もギャンブル場のある地域は労働者が組合作っててギャンブル賛成だったりするみたいだから,地域によるんでしょうかね??

オートピアから2号スタンドへ 15号売店
閉じられた売店を見ると,山陽オートを思い出すな
中の流し台なんかはそのまま トイレ 通路の雰囲気 喫煙所は現役です
「あらい」 おでんの右が消えてますが,何が書かれていたのでしょう? ファンタ! あとから追加で作られた感のあるコーヒーショップ
それだけ混雑していた,ということなんだろうなあ

 8レースが始まったので,ここから観戦。普段買わないオートレースなので,こういう日の負け戦の戦い方の想像がつかず,予想はなかなかに難しいですな。まあ,試走で雰囲気が良さそうな選手を買うんですが,そもそもめったにオートを買わない人間に「雰囲気の良さそうな選手」などというものが果たして分かってるのか,という問題があります。
 結論から言うと,8レースがこの日の最後の的中レースでありました(しかも当たったのは連複なので安い)。この日はトータルでマイナスです。

ぐるっと見回す 試走待ちの皆様
位置について よーい どーん! めまぐるしく先頭が変わります
最後は青木治親が先頭 確定 戻っていく選手たちと
出て行く選手たち
旗は国旗のほかに2本

 引き続き2号スタンドの探検を進めます。人が少ないのは写真的にありがたいんですが,中途半端に人がいるために油断してると人が映り込んじゃうんだよな。
 4階は旧指定席のようで,指定章をつけろ,という案内が今も残っています。指定席をとるという発想が皆無だったから分からんのですが,この案内を残してるってことはもしかしてSS王座のときとかには座席指定してるんでしょうかね?それにしても,これだけガラガラなのに4階以上を封鎖したりしないのがちょっと理解しかねるところです。

 よく分からないと言えば,柱の落書き。永井大介の大ファン(あるいはアンチ)が「永井大介」と書くのはいいですし,いたずら書きで「大」を「犬」,「介」を「界」にするのも別にいいんですが,池田政和の「政和」を見る限り,落書きよりも四角く塗り直しているのが後のようです。ということは,塗り直した人はいたずら書き全体は消さずに一部上塗りしたことになります。何を消したのかもちょっと気になりますが,なんで全部消さずに(大昔の落書きは消されたような痕跡があるけど),こういう塗り方したんでしょうか。
 それにしても,大きく書かれているのが旧船橋の選手ってのは,川口的にどうなんだ。

 興味深いのは,あとから作られたであろう第2特別指定席。狭いスペースから上に上がっていく場所,というと放送席や審判席などの業務用のスペースであることが多いイメージですが(実際にここも記者室がそんな感じ),特観席でそれをやったんだなあ。この特観席に人が入るくらい,川口が混雑していた時期があった,というのが大変興味深いです。それにしても,耐震性がやばいとされている2号スタンドの中でも,特に耐震性がやばいんじゃないかと思ったりしますね。ここをぶらぶらしてる最中に地震が来なくてよかった。

2号スタンドからは
外に出られません
4階に上がります
指定章をみやすいところに
つけなければなりません
シャッターがついていて
容易に封鎖できるのに
しないのが不思議
4階コンコースの様子 何の店か痕跡無し
お知らせ
括弧の数がおかしいんですが,
どういうことなのだろうか
探検を進める 19号売店
社協食堂の文字が大きい
そこまで宣伝することじゃ
無いように思うが
みずきという名前のようです
「社協食堂」よりも
こっちを大きくしなかった
理由を知りたいな
「施設食堂売店」という
表現も興味深い
なぜ「施設」を入れたのか
旧湯茶接待所の中
画面と椅子はまだまだ現役
看板を外さずに,
×をつけて消す方式です
外に出ます ぐるっと見回す 旧船橋の2名の落書き
さらに進みます オッズ等表示のための
テレビ画面
ブラウン管なのはいいとして
ここを動かす電気代が
あるのが凄い
上からの眺め。「川口オート」という植え込みがナイスです
旧指定席なので,座席にも記号番号がついています。
「いろはにほへ」方式なのが,時代を感じさせますね
座席
斜度もそこそこ急ですね
濁点や半濁点をつける
古典的ないたずら書き
ノミ行為は相手方も
共犯者として重く罰せられます!!
持逃げへの注意喚起は
珍しいですが
コーチ屋をイメージしてる
のでしょうかね??
記者席
中が見られないように
なってます
 車券販売所の中
欠車番号表示板が壊れかかってますね
奥まで来ました
第2特別指定席。秘密基地感があります
人の目を気にして上までのぼりませんでした
鈴木への愛であふれてる落書き
ただ,おいらはニワカなので
圭一郎しか知らんです…
1コーナー寄りからの眺めからの眺め 下から見上げる ゴミ拾いのために走る!この日はそこそこ風が強かったので大変そうでした

 そんなこんなしているうちに,9レース。準決勝4レースの1つめになります。
 普段オートに行かない人間がこういう場所に行くと,いわゆる銘柄級の選手の取り扱いが難しい。ボートだったらそれでもA1がインにいたら信用できるし,外でもスタート力や1マークでなんとかなるわけですが,オートはハンデついてるから,いろいろと難しい。素人があれこれ悩んでもしかたないのだろうけど。
 そんなわけで,このレースは8-2。池田は勝って佐藤は着外。最終週に池田が平川を逆転して1着となったのでした。

選手名 競走車名 ハンデ 試走T 競走T ST
1 8 池田 政和 マンティス 20 3.32 3.433 0.16
2 2 平川 博康 キレネンコ 0 3.35 3.461 0.11
3 5 阿部 仁志 サティアV 20 3.35 3.446 0.16
4 3 吉田 祐也 リクエンタイ 10 3.33 3.46 0.13
5 7 佐藤 摩弥 Pタン 20 3.34 3.452 0.17
6 1 佐々木 敏夫 ケンウインズ1 0 3.39 3.487 0.13
7 6 斎藤 撤二 フチコマ 20 3.34 3.468 0.2
8 4 花田 一輝 ノノリキ 10 3.32 3.486 0.17

 準決勝が始まったので残り時間も少なくなってきました。
 2号スタンド2階におります。ここは通路として活用されているものの,常駐している人が少ないですね。まあ,穴場がないんだから当然か。

2階におりてきました 通路の様子。天井の低さもあって,日陰だと寂しいですが,日光が入ると雰囲気が明るくなります 奥に見えるのは
オートピアとの連絡口です
2号スタンド2階の座席 ぐる〜っと見回す

 2号スタンドは,1階部分が通路になっていて,ここからもレースを見ることができます。走路面よりも若干低い位置からの観戦になります。これはこれで興味深い。
 1階におりるために,いったん外に出ます。ここでふとドラクエウォークを開いてみたら,川口オートにとんでもない奴が襲来しておりました。それはいいんですが,川口オートの走路のど真ん中に襲来したせいで,観客席からは手が出ません。選手は当然携帯持ち込み禁止でしょうから,事実上こいつを倒せるのは管理区域に立ち入り可能な職員さんだけになりますね……。そんなことで川口の平和は守られるのでしょうか。職員さんの中に魔王を黙らせる勇者がいることを祈ります。
 あと,気になるのが「ダフヤ行為禁止」の注意書き。指定席券のダフ屋行為を禁止しているのですが,ダフ屋禁止の注意書きは他場で見たことが無いような気がする。意識したこと無かったけど,JRAなんかだとどこかに掲示されてるのだろうか。

注意書きが3つ。指定席のダフ屋がいたとは,時代を感じます 2号スタンドとその奥
メガモンスター襲来 2号スタンド1階を進むと,オートピア入口に到達します

 で,オートピア入口に戻ったところで,川口恒例の飲食店タイムセールが絶賛開催中だったので(というかまあ,タイムセールに合わせて戻ってきたわけだが),追加購入。ここでコロッケなんて食べるから太るのです。


 で,1号館方向へ向かいます。その前にレースを観戦。準決勝2レース目。このレースはハンデ20m同士で決着。浜松の笠木が勝利です。ううむ,全レース当てる必要は無いのは分かってるとはいえ,どうやってこれを当てられるのか,ちょっと考えてしまうな。

選手名 競走車名 ハンデ 試走T 競走T ST
1 6 笠木 美孝 レミュ 20 3.37 3.407 0.08
2 8 若井 友和 モエルトウコン 20 3.35 3.42 0.04
3 1 石井 大志 オーディン 0 3.36 3.448 0.05
4 7 平田 雅崇 K・キヨマサ 20 3.35 3.426 0.11
5 5 泉田 修佑 リトルミイ 20 3.35 3.433 0.11
6 2 谷島 俊行 ブリザール 0 3.4 3.455 0.14
7 4 鈴木 将光 シャドウA 10 3.36 3.453 0.07
8 3 福村 唯倫 グフカスタム3 10 3.39 3.453 0.1

 そんなわけで,あらためて1号館方向へ。
 時間も無いので1号館まわりはあまり探索できませんでした。前にSS王座に言ったときは正門から入ったはずなんだけれど,混みすぎてて全然この周りの記憶が無いな。

写真掲示板。おそらく今は運用されていない
末尾に書かれている「ゴールライン上に到達しないものは
絶対に写りません」という表現が面白い
過去にどういうトラブルがあったのだろうか
あらためて奥を目指す 2号館 さっき見た「第2特別指定席」への案内もまだ残っております
オートピア方向を見る この売り場は使われておりません
SS王座のときは開いてたような,
開いてなかったような
正門側の景品引換所や新聞売店 正門側売店
第4休憩所とイベントホール 1号スタンド 1階の穴場 2階。穴場は閉まっております。
そして,ここにレディスルームがあります
ちなみに,オートピア2階は「女性専用ルーム」でしたが
こちらは「レディスルーム」です。
レディーではなくレディなのも特徴
3階へのエスカレーター
1号スタンド2階からの眺め チャンピオンゲートとイベント用のステージ

 11レースは,20m勢が全滅。ううむ,難しい。

選手名 競走車名 ハンデ 試走T 競走T ST
1 2 小原  望 N・マツユキ 0 3.36 3.423 0.24
2 3 田中  哲 アクゲキ 10 3.37 3.428 0.21
3 4 武藤 博臣 ポリサル 10 3.33 3.431 0.15
4 1 丸山 浩信 ディケイド 0 3.41 3.448 0.18
5 6 別府 敬剛 クロス 20 3.34 3.426 0.07
6 8 高橋  貢 Rウルフ 20 3.33 3.436 0.09
7 5 岩田 裕臣 プラスワン55 20 3.38 3.436 0.08
8 7 鈴木  清 ウィンザー 20 3.36 3.439 0.06

 そんなわけで,あとは12レースも外して,この日は終了でございます。
 2号スタンドを見ることを目標に行ったので,車券が外れたことは気にしないことにします。そうしないとやってられん。

どこにあったか忘れたけど
立小便禁止の張り紙
確か大宮にもあったけど
埼玉では立小便が
流行ってるのだろうか
5号スタンドに戻ってきました あらためて5号スタンドからの眺め
日が暮れてきました。それにしても,客がいない

 最終レース。失格の森くんはいいとしても,永井が飛んで,2連複7370円,3連単は60,590円。これも外れたのは事故だと思っておくしかないのだろうかな。銘柄級の選手の一般戦での取り扱いが分からないまま,1日が終わったのでした。

事故 選手名 競走車名 ハンデ 試走T 競走T ST
1 5 阿部 剛士 ハーデス 30 3.34 3.399 0.1
2 1 木部 匡作 ティコ 0 3.37 3.439 0.21
3 7 伊藤 信夫 プロドライブ 30 3.31 3.409 0.16
4 8 永井 大介 セプテンバー 30 3.31 3.409 0.23
5 2 柴山 信行 ミックスター 10 3.37 3.453 0.03
6 3 塚越 浩之 ビートバクダン 10 3.37 3.457 0.1
7 4 影山  伸 シュガ 20 3.37 3.478 0.11
反妨 6 森  且行 ハカ 30 3.33 0.14

 そんなわけで,スタンドから久しぶりに「セザール」という文字を見て,そういえば最近セザールって見ないな,と検索してみたら,セザールコーポレーションってもう無くなってるのね。
 オートレースも無くならないように,これからの発展を祈るばかりです。

 ところで,川口オートからの帰りがてら,西川口のブックオフによるのがルーティーンなんですが,川口オートはこれで3回目のはずなのにこのルーティーンが身体にしみこんでるのはなぜなんだろうか。実はもっと行ってたっけ?自分のことながらよく分からんな。



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