フランス競馬観戦記(ロンシャン競馬場) 10/5


 今日は凱旋門賞の日です。凱旋門賞は言うまでもなく、世界最高峰のレースの1つ。今回の旅の最大の目的とも言えるものです。
 前日、同様に地下鉄の駅で降ります。そして、地上に出るとなんなく無料バスを発見。乗車。凱旋門賞だけあってさすがに混んでいました。噂ではみんな正装をしてくるとどっかで聞いたことがありますが、普通の馬券オヤジもけっこういて一安心です。当然、僕もしょぼい格好をしています。(どのくらいしょぼいかと言うと、防寒具を持っていなかったためにサークルのウインドブレーカーを着て、ジーパンをはいている 笑)
 バスが発車し、しばらくすると横にテニスコートが!!近くに座っていた英語を話す老夫婦がロランギャロスだと言っていました。時間があったら、見学したいところですね。外から見た限りはクレーコート以外にもハードコートがあって子供達がテニスをやっていました。
 競馬場のまわりの道は混んでおり、15分くらいで到着。昨日と同じように入場券売り場に並びます。ここも長蛇の列。しかも、どうせ入場料は4ユーロだろうと思って用意していたらなんと8ユーロもしました。凱旋門賞の日は高いらしい・・・。
 そして、荷物チェックを受け入場。昨日よりゴージャスになってる!!美しいパリジェンヌがレープロを手渡ししてくれるし、何よりも着飾った人が多い。社交界のサロンコーナーみたいなところが外に特設であって、写真でしかみたことのないようなすごい帽子をかぶっている貴婦人達がたくさんいます。鈴木淑子もびっくりです。これが凱旋門賞なんだと思いました。
 そして、一般人もいたるところでシャンパンやワインやビールを飲んでくつろいでいます。しかも、飲み方が優雅。決して日本の競馬場でオヤジがワンカップの酒を飲むのとはイメージが違います。僕もこの日は奮発して、ケバブ(羊の肉をはさんだギリシア風サンドイッチ)とビールを購入。優雅に飲みました。が、寒くてビールはいまいちでした(笑)
 この日はG1レースが目白押し。昔、アグネスワールドが勝ったアベイユ・ド・ロンシャン賞などがあります。あのレースは直線1000メートルなのですが、コースが競馬場の真ん中にあります。だから、ターフビジョンで見る以外に全く馬の影さえ見えませんでした。他にも日本の障害レースよりも距離が長い4000メートルのレースもありました。そして、凱旋門賞が近づくにつれ、徐々に熱気が高まっていくのがすごく感じられるのです。効果的な音楽もまた場内を盛り上げます。
 もともと馬券売り場が少ない上に混んでいるので、僕は馬券を買うのはあきらめました。パドックや表彰式を見ると、馬券は無理です。馬券好きは人は注意しましょう。
 そして、凱旋門賞のパドック。どの馬も世界の一流だけあって素晴らしい馬体でした。そして、ジョッキーも一流ジョッキー。デットーリ、キネーン、ペリエ、ファロン・・・お粗末な知識の僕でも聞いたことのある人ばかりです。そういえば、フランスでのデムーロ君はイタリアで見かけた「みるこ」と書いてあるパンツじゃなくて普通のをはいていてがっかりしました。
 そして、本馬場入場。そういえば、エルコンドルパサーの凱旋門賞をテレビで見たときに馬場に勝負服の映像がプリントされているように見えて(実際は合成)1人でフランスはすげーと思っていましたが、実際にはそんなことは全然ありませんでした。当たりまえか。すごい歓声です。
 僕はVIP席の前に陣取りました。VIP席を見るとなにやら偉そうな人がたくさんいました。残念ながら僕は誰一人として知りませんでした。回りの観客はVIP席を見てしきりにあれは誰だとか言っています。もちろんフランス語なのでさっぱりわかりませんが、きっと有名な人なのでしょう。写真を撮っている人も多かったです。この辺は日本と一緒なのですね。さすがに写メールはいませんでした。僕の前のオヤジはレース中もずっとVIP席をビデオ撮影していてうざかったです。っていうかこの人は何しに来たのだろうか・・・
 話は元に戻して凱旋門賞です。もちろんファンファーレはなくスタート。その様子をカメラが追いかけます。例によって馬と並行して走るカメラもあります。実況は2人体制でした。もちろん何を言っているかはわかりませんが日本と大差ないでしょう。レースはダラカニのペースメーカーが引っ張るよどみ無いペースで進み(ただそう見えただけです)、最終コーナーへ。ダラカニが力強く抜け出し完勝でした。以下の着順も人気通りでした。レース後、ダラカニの騎手とペースメーカーの騎手が仲良く帰ってきて、日本ではありえない光景だなと思いました。だいたい日本でペースメーカーは出走しないからだろうけど。スミヨン(勝利騎手)はすごい歓声を受けていました。
 そのままパドックへ。僕も移動します。そこで確定まで様々な人(きっと馬主とか調教師)の祝福を受けつつ待っています。確定するとなんと4台の馬車がパドックに入ってきました。どうやらこれに乗って本馬場に向かいそこで表彰式を受けるらしいです。すごい演出です。騎手や馬主の一族がそれに分乗して(3台で収まって1台返された)本馬場に向かいました。さらに驚いたのは馬車の中にカメラマンがいて撮影して、その光景が場内ビジョンで見られること。さすがだと思いました。そして表彰式では偉そうな貴族っぽい人が賞品を渡していました。最後にフランスの国歌(ラ・マルセイエーズだっけ?もちろん僕が国歌と思っただけで本当は全然違う曲かもしれません。)が流れてきて少し感動しました。競馬はフランスでは国技ともいうべきものなんだなーと。これはメジャーリーグを見たときにアメリカ国歌が流れてきて覚えた感慨と似ています。その国の文化を感じるときです。日本で国歌が流れると言ったら相撲ですからね。フランスで競馬は日本の相撲に当たるのです!!
 こうして、凱旋門賞が終わり、昨日と同様に無料バスに乗って帰りました。まさに世界の最高峰を実感といった感じでした。日本では文化的土壌が違うので味わえないものだと素直に思いました。