ニューマーケット競馬観戦記その2
博物館〜競馬場〜おまけ

画像は、ページを軽くするために画質の悪いものを表示させています。画像をクリックすると、ましな画質の大きな画像が出てきます。

 さて、市内に帰ってきたNPは、競馬博物館へ。ゲートをくぐると、売店が見えてきます。

入口
ここをくぐって中へ
こんな感じの建物です ハイペリオンの銅像
オーナーは食いすぎでは 膝が死にました


 ここで見学したい旨を伝えて、お金を払って中に入ります。がらがら。
 無理もないです。この日は競馬開催日。2時(注:本当は1時なんですが、なぜか僕はこう思い込んでいたのです。詳しくは後述)から競馬があるんだもんな(この時点で時間は1時前後でした)。

 競馬博物館そのものは、まあおそらくJRAが参考にしたのでしょう、いたって普通でした。
 いたって普通、というと、どう普通なのか、という突っ込みがくると思いますが、まあそこは行ってみてのお楽しみ、ということでお茶を濁したいと思います。
 ただ、ちょっと気になったのが馬の骨格。非常に有名な馬(忘れた…泣)の骨格、とのことだったのですが、まさか本物じゃないですよね??どーなんでしょう…。でもわざわざ飾っておくからには本物なのかな??

 そして、最後には馬具(蹄鉄とか体重計とか鞍とかです)などがある部屋があります。
 ここで、女性の係員の方がつきっきりで説明してくださいました(なんせ見学者は僕だけです)。
 詳しい会話の内容は当然のごとく忘れましたが、非常に楽しいひと時を過ごしました。いや、ほんとに。今思い出したのがハミの説明&質疑応答の時の会話で、ハミ吊りをつける(つけなければならない)馬はグッドホースだ、という話の流れで、僕が「日本のトリプルクラウンホースにもハミ吊りつけてた馬がいる」という話をしました。まあ、だいたいこんな流れで会話は進んでいたのでありました(シャドーロールのときにもこんな話をしたようなしなかったような)。

 そして、ここには木馬があります。実際に騎手の方々が使っているものと同じものかは分かりませんが、非常にしっかりしたものなので、多分そうなのではないかと思われます。そして、実際に勝負服とヘルメットをかぶってこの木馬に乗り、写真を撮っていただきました。
 これがつらい!!
 最初に肩慣らし程度にゆっくり木馬を動かし、フォームのチェック(肘やかかとの位置をチェックされたような記憶が)。そして、スピードを速めます。
 うぉぉぉぉぉっ!
 これがきつい!!
 実際に騎手の方々はこれと同じスピードでやってるのか、それとも騎手の方々はもっと速いスピードでやってるのか分かりませんが(聞けばよかった)、とにかくつらい。
 とりあえず写真を1枚撮っていただきました。デジカメなので確認は簡単(この写真が残っていて本当によかった)。
 そして、もう一回。
 ぬぉぉぉぉぉぉ。
 パチリ。
 この時点で膝ががくがくです。いや、もう冗談抜きで。そして、係員の方は恐ろしいことを言いました。「最後にもう一回やってみる?」
 せっかくイギリスまで、しかもニューマーケットまで来たのです。ここで断る馬鹿はいません。ということで、もちろんもう一回。
 ぐぉぉぉぉぉぉ。
 膝が…もはやまともに歩けません。がくがく。
 いやぁ、騎手ってあらためて大変な職業だなあ、ということを認識。

 いやあ、本当にこの係員の方にはお世話になりました。本当に楽しかったです。最後はがっちり握手してお別れ。
 ちなみに、この方の息子さんは福知山で英語の教師をしていらっしゃるそうであります(こういうことは覚えてるんだよな)。
 あと、この方に伺ったんですが、タタソールズの市場は見学可能だそうです。もし次にくることがあればぜひ見たいですね。でも、タタソールズの見学について書いてある本は見つかりませんでした。

 ということで、参考までに博物館についても牧場同様に開館時間等を。
 こちらもあくまで2001年のものです。
 5月の終わり〜12月の頭まで
 火〜土:10-17時
 日:12-16(7・8月の日曜は10-17)
 月曜閉館(7・8月、BankHolidaysを除く)
 入館料:£3.30,(£2:シニア、£1:子供)

 博物館見学を終えたNPは、出口の売店で帽子やら絵葉書やらを購入。


 そして、博物館を後にすると、がくがくの膝でひーこらひーこら道を渡って再びタクシーに乗車。いよいよ競馬場です。
 車内ではいきなり"Are you gonna win?"などと聞かれてびっくりしましたが、((小銭がなくて)チップを多めに払ったこともあってか)"good luck!!"とあいも変わらず2002年のJRAのようなことを言われてタクシーを出たのでありました。


 さあ、いよいよニューマーケット競馬場!!なんとかあまり遅れずに到着!!(注:この時点でもレース開始時間を勘違いしています)

駐車場
入口
閉まってる…


 まず、アスコットとの違いは…人が少ない!う〜ん、どういうことだ。やはりロンドンから遠いからなのか…レースの格の問題か…
 とりあえず駐車場を写真に収め、入口へ。
 …ん?閉まってるぞ。どーゆーこと!?
 係員さん曰く「あっちから入ってくれ」とのこと。あっち、と言って指したのは左。そこには、車両用の通用門が。
 (ここの雰囲気は立川競輪場を思い浮かべていただくと非常に嬉しいんですが、いかんせん立川競輪場がどの程度知られているのか…。非開催日の立川競輪場の昼〜夕方をご存知であればいいのですが、駅の改札のような部分の左に、大きく門が開いています。それです。その門をイメージしていただけると嬉しいです。あそこの、門が閉まっているイメージです。当然その右側の入口も閉まっています。う〜ん、苦しいな)
 ここで僕は、「左」が、この通用門ではなく、もっと左、早い話が競馬場をぐるっと回って左のほうなのではないか、と思い、競馬場の回りを左回りに回り始めました。
 ……。しかし、前方を見ても入口がある雰囲気ではない!どーなっとるの!?
 すると、前方から2人組の男性が。2人組は僕と同じように入口に向かい、閉まっているのを確認し、係員に話を聞いて、門のほうへ行きました。門は当然閉まっています。2人組も閉まっていたので一旦離れたのですが、都合よくその門におじさんが現れたので、話を聞きました。すると、門が開いて、2人組は中へ入っていきました。
 なにっ!そういう仕組みだったのか。ってかおじさん、なんでずーっとそこにいないんだ!
 僕も2人組と同じようにその門へ向かい、おじさんに話し掛け、中に入れてもらいました。お金は、と聞くと、いらない、といわれたので、なんと僕は無料で競馬場に入ることに成功したのでありました。

 競馬場は、というと、一言で言ってきれい。こりゃあたいしたもんです。人口密度もJRAの比になりません。
 アスコットと違い、パドックの位置はいたって日本的。スタンドの裏側にあります。
 まずレープロを買おうと思ったんですが、それらしき店が出ていない。う〜む。これはどうしたことか。(注:未だに時間の勘違いに気づいていません)
 パドックでは電光掲示板に4Rのオッズが表示されていました。どこのオッズなのか分かりませんが、おそらく主催者のオッズではないかと思われます。このときも自分のミスに気付かず、「あ〜、イギリスでも前売りオッズを表示するんだ」などと感心していたのだから愚かなものです(僕の頭の中ではこれは2Rのパドックでした)。

 とりあえずスタンドの中へ。バーカウンターがあります。いい雰囲気。日本とは違います。そして、カフェテリアも。そこに入りました。テレビ画面では他場のレースが放映されていました。障害レースです。おおっ。本場の障害だ!などと感心しつつ、食べ物を選んでいたのですが…これがまあ見事なまでの競馬場価格で、半ぎれでサンドイッチを購入。
 ちなみに、スタンド裏にも食べ物屋さんはありましたが、全て店じまいしておりました。
 イスに腰掛け、レースを見つつ朝に買ったレーシングポストを見ていたところ、店員の女性に声をかけられました。会話の内容はすっかり忘れましたが、「日本から来ました」的な会話をしたように記憶しております。

 さて、新聞を眺めていて、よーやく自分のミスに気付きました。1レースのスタート時刻を思いっきり勘違いしている!既に今日のメインレース(格の上で)のG1は終わっている(3レースでした)!
 今までの疑問が次々と氷解。なぜ入口が閉まっていて、ただで入れたのか…パドックで表示されていた4Rは前売りではなかった…そりゃあ博物館はがらがらだよな…
 ったく、何が事前準備だ…肝心のレース開始時間を間違えるとは。一応言い訳をすると、他の方の旅行記では2時開始だったのです。それを丸呑みして、自分が観戦予定の日のレース開始時刻をきちんと見ないのが愚かすぎるのですが。

 さて、こうして自分の愚かさにしばし落胆したあと、行動再開。
 馬券の買い方は分かっているので、とりあえずの目的はレープロ。とりあえずみやげ物屋を発見し、レープロの有無を聞くと、ある、とのこと。1部2ポンドなので2つで5ポンド硬貨を出したところ、お釣りがないと言われ、馬券購入用に既にポケットの中に入っていた1ポンド硬貨2枚を出して1部のみ購入。

 その後、JRAがシングスピールのジャパンカップ勝利記念に植樹したとのネット情報から、その木を探し歩いたのですが見つからず(聞けよ、と当時の自分に突っ込んでおきます)、その後はまったりとレース観戦。
 当然と言えば当然ですが、競馬そのものはアスコットと変わりありません。パドックの位置と構造がやや日本に近いかな(アスコットのような2段階ではなかったし)という程度でした。
 ちなみに、表彰式はパドックで行なわれるようでありました。

 そうそう。アスコットについては事前に写真撮影禁止との注意書きをネットや本で読んだので、競馬場の係員に写真撮影の可否を聞いたのですが、ニューマーケットに関してはそのような噂はなく、安心して、係員に聞くこともなく写真を撮っていました。が、あとでレープロを読み返してみると、スタンド内撮影禁止と書いてあったようななかったような。なぜか今見つからないのでちょっと確認できませんが。

 それと、先ほど他場のレースが放映されていた、と書きましたが、この馬券をどこで買うのかも不明(何で聞かなかったのかなぁ)。ブックメーカーはどう見ても当該競馬場の当回分しか発売していないので、主催者販売で買うのでしょうか。

 まあ、こんな感じで1日のレース終了。まあ、レースの勘違いはあったものの、分かってたからといって博物館も牧場も外せなかったし、まあ致し方なし。
 めでてしめでたし。おつかれさまでした〜。

スタンド裏
のんびりしております
メインレースの賞品? パドック
表彰式
スタンド前・コースの様子
スタンド前・コースの様子2 ブックメーカー
ブックメーカー この向こうが
Member's Standです
スタンド


 これで終わりたいのですが、最後に難問が。

 僕はご存知のとおり、牧場→博物館→競馬場、のルートをたどったためにタクシーを利用しました。
 では、牧場も博物館もすっとばしてロンドンから直接競馬場に行きたい場合は一体どうすればいいのか!?
 答えは単純で、ニューマーケットの駅からバスが出ているのです。ただ、ネットで情報収集する限り、このバスもなかなかの曲者で、電車が遅れても定刻どおり出発していってくれる、非常に時間に厳格な奴らしいので、利便性にはやや疑問が残るらしいです。
 では、その逆は?つまり、競馬場から駅に帰りたい場合は??
 当然バスです。バスです。…バス…?
 そう、バス。バスってなんだよ、おい。知らないぞ、そんなもん。バスに乗ってきたならどんなバスでどこに止まるかも分かるのでしょうが、タクシーで競馬場に行くという、リッチなことをやってしまった僕にはバスのことなんて分かりません。一応何台かバスはいたのですが、このバスは駅に行く奴なのか、それとも関係のない観光バスなのか…?
 もちろん、聞く、という選択肢も思いっきりありました。
 ですが、僕はここで別の選択肢を選びました。そう、歩きです。

 タクシーで牧場や競馬場に行った限りでは、競馬場から市街へは一本道です。まあ、地図を見ても一本道です。迷いようがありません。電車の時刻表を見ても、終電は大丈夫そうです(もちろん電車側の事情で終電がなくなる可能性はありますが、それはまあ別問題)。
 となると怖いのは治安面ですが、まあ一応明るいので大丈夫だろう、というふうに結論付け、歩行開始。
 大通りまで歩いている人は散見されましたが、市街まで歩く暇人は僕だけでありました。
 だいたい40分ほどで駅に到着。歩けない距離ではありませんでした。

 駅に、と書いたものの、電車の時間までは間があります。電車が時間どおりに来てくれるのであればそれまで市街をぶらついたんですが、いかんせん不安が残るので、駅でボーっと本を読んでいることにしました。久しぶりに日本の軽犯罪法に触れることをしましたが、まあそれはご愛嬌。

 僕の不安をよそに、電車は定刻どおり到着。そして、そのまま定刻どおりケンブリッジへ。そして、定刻どおりロンドンのキングズ・クロス駅に帰還したのでありました。

ニューマーケットの
街中にあったブックメーカー
ケンブリッジ⇔ニューマーケットで利用した電車
自転車を積めるようになっています
自転車でなら駅と牧場・競馬場の間も
楽に移動できていいでしょうね〜
ケンブリッジ駅 ケンブリッジ駅の出口
(ホームからすぐ)
ここにも日本語…
キングズ・クロス⇔ケンブリッジ
で利用した電車
快適でした



 このままホテルに帰ってもよかったのでありますが、各月の第1火曜だけ21時まで開いているジョン・ソーンズ博物館、というのがある、とガイドブックに載っていたので、ここに行ってみることにしました。
 ここは、イングランド銀行を設計したことで知られている(いや、当然僕は知らなかったけど)ジョン・ソーンという建築家の絵画や美術工芸品が展示されているところです。
 この博物館は大通りから一本中に入った、公園に面した通りにあるのでありますが、この通りがおっそろしく閑散としていて、しかも既に夜ですから、そりゃまあなんつーか、痴漢や引ったくりが出てきても文句は言えないな、っつー道なのであります。
 ドアをノックして開けてもらい、中に入ります。カバンを置いて、寄付金と言う名の入館料を払って中を見学。
 ふむふむ。
 中は入り組んでいて、非常に道は狭いです。まあ、元はジョン・ソーンさんの家だったのでしょう。夜なので当然暗いのですが、それがまたいい雰囲気を出しています。暗い道に、顔の彫刻が並んでたりする風景はなかなかのものです。おそらく、昼に行ったらまた違った雰囲気なんでしょうね。
 中にはイングランド銀行の設計図や模型なんかもあったように記憶しています。
 出口では何枚か絵葉書を購入し、ここもまたつり銭切れで財布からなんとか小銭をあぶり出し、カバンを受け取って退場。
 しかし本当に人っ子一人いない道だ…。

 このあと、王立裁判所やテンプル教会の前も通って行こうかとも思ったのでありますが、この手の建物がライトアップしてるはずはないよなあ、と思ったので帰還。夕食はマクドナルド(博物館の最寄駅のHolbornの駅前にある)でとってみました。量はさすがに日本より多め。味はまあマクドナルド。

 ホテル帰還者は僕がトップでありました。他の皆さんはミュージカルだか演劇だかをみたり、パブに行くなどして夜を過ごしていたそうであります。

 最後に思い出したように追加。
 ニューマーケットでは、早朝の調教見学などもさせていただけるそうであります。やはり2日いたい場所ですね〜。

INDEX/BACK/NEXT