引分大分

 白馬中京遠征の翌週は九州に連闘です。
 長老が日月という予定で佐賀に遠征するということで,鋭意関係各所の日程を調査したところ,なんと当該週に大分でレッズの試合があることが判明。本当は鳥栖戦だったら満点だったのですが,世の中そううまくはいかないものです。昨年の新潟のような奇跡はなかなかね。
 ただ,小倉にいる友人と福岡にいる友人に連絡を取ったところ,お二人とも土曜の夜におつきあいいただけるということで,しかも,こんなことでもないと大分に行く機会も作れないでしょうから(なにせ大分にはほかに行きたい場所がたくさんある),この機会に便乗させてもらうことにしました。

 そんなわけで,まずは眠い眼をこすりながら大分空港に到着であります。空港の荷物ロビーでは,アウェイサポーターを歓待する心のこもったおもてなし。こういうのは嬉しいですね。あと,遠方に住んでるトリニータサポに向けて「よく帰ってきた,一緒に戦おう」くらいのメッセージがどこかに少しあってもいいような気がします。

こういう心遣いは嬉しい 出口にいたゆるキャラ
その後大銀ドームで
PKを蹴っていたらしい

 大分空港が僻地にあることは大分の知り合い(今回は声を掛けず)から聞いておりました。ここにしか場所がなかったのかなあ。とにかく,故知虎時間がありません。本当は,せっかくなので大分にお金を落として行きたかったのですが,お金を落とす時間もありゃしない。
 とりあえず駅に到着。空港での歓待ぶりから,当然大銀ドーム行きバス停への案内がでているものだと思ったら,とりあえずNPの視界には入ってきませんでした。あれれ。

 まあ,気を取り直して市内散策。短い時間ながら,この機会に府内城を見ておかないと一生見る機会がこない気がしたのであります。
 とりあえず商店街を歩いていたら,「大分の」明屋書店を発見。愛媛の明屋書店と何が違うのか,調べるほどのことでもないと思ったので調べておりません。とりあえずパッと見た限り,色使いは同じだけれども。
 あと,赤レンガの物々しい建物も発見。特に解説も見当たらなかったので,これも調べておりません。この通りが「赤レンガ通り」であることは認識しましたが,ここにいう「赤レンガ」がこれのことを指しているのか,それとも中山大障害を尊敬してやまない商店会会長が名付けたのかはNPの知るところではありません。
 しばらく商店街を歩いていたら,唐突に広場に大きな帆船が登場。どうも日本ポルトガル友好450年記念で作られたようです。世界平和万歳と叫びつつ,この船が酔っ払いや学生に破壊されないことを祈るばかりです。
 もう1つ,面白いと思ったのがヤノメガネ。眼鏡店のサービスとしてよくみられる店頭メガネ洗浄機サービス。ここに店員がほぼ常駐しているのです。これは凄い。

 とまあ,そんな感想を漏らしつつ,府内城が見えてきました。





大分駅
どうも建替えたっぽいですね
大分の明屋書店 赤レンガと赤レンガ通り 日葡友好450年の帆船 ヤノメガネ

 府内城に関する事前情報は,商店街を歩きながら必死に検索して入手していきました。情報を分析したところ,総じていえることは,「大分文化会館が景観をぶちこわしている」「なぜ100名城に入っているのか分からない」ということであります。なるほど,これは心して見なければいけません。
 というわけで,まず見えてくるのは立派な石垣,立派な堀,立派な櫓,の3点セット。あれ,思ってたよりもしっかりしているではないですか。おそらく塀の後ろに見えるくろっぽい建物が文化会館なんでしょうが,黒っぽいこと・奇抜な格好をしていないこと,案外背が低いこと,から,そこまで場違い感もなく,むしろ「中世と現代の融合」としていい感じなんじゃないか,とさえ思いました。
 で,直進するか左折するかですが,左方向に堀を渡る橋が見えたので,左折しました。
 石垣の下にはコンクリ犬走り。犬どころか自転車も走れそうな立派な犬走りで,果たしてどこからどこまで当時の姿を再現しようとしているのか謎です。こういうあたりが城好きの方々から批判される所以なんだろうな。
 ネットで検索したところ,別府大学の小野英治氏の論文がヒット。どうも水を綺麗にするために,当時は存在しなかった犬走りを設置したようであります。なんと,自転車どころか犬も走れなかったのだそうです。まあ,水をきれいにする方が衛生上も予算上も,へたすると観光資源上も大事だろうしなあ。大分市民であれば「府内城のために税金を払うのは仕方がない。とにかく昔の姿に!」と声を大にしていうこともできますが,いかんせん部外者なのでコメントのしようがございません。
 そんな犬走りの上には青鷺とカラス。平和です。

見えてきた隅櫓 隅櫓 堀と塀の様子 青鷺 青鷺とカラス 隅櫓を振り返る

 さらに進むと,今度は奥に鳥居と廊下橋が見えてきました。よって,自動車用の橋ではなくこっちに向かいます。事前情報によると,府内城で見るべきはこの廊下橋,とのこと。こんなに早くメインイベントが登場していいのでしょうか,いいんです。なんせこっちは試合まで時間が無いのです。

 まずは手前の松栄神社。沿革(この沿革,面白いフォントだけれど非常に読みやすい)を読む限り,出入りの激しい神社だったようです。未来永劫この地に落ち着けるとよいですな。
 そして,廊下橋。まあ,単なる橋といってしまえば単なる橋なのですが,それでも当時に思いをはせるにはこういう以降は大事です。また,橋の屋根はハトの憩いの場となっておりました。
 廊下橋を抜けると,正面に文化会館が見えます。ああ,これは確かに興ざめだ。あくまで城壁と櫓越しにみるから目立たなくてよかったんだな。

ここは櫓台のみ
表通り側だけ再築したってことなのか
奥に廊下橋が見えます 後ろを振り返る
どうも,この橋は
もともと存在しなかったっぽいな
斜め角度からの櫓台 松栄神社鳥居 松栄神社沿革
なかなか見ないけれど
読みやすいフォントです
手水舎 拝殿 燈籠
うっすらと絵や家紋 リアルな造形 幣殿と本殿 稲荷神社 屋根から草が生えてます
石塔 崩れ気味の石碑 人質櫓 廊下橋
解説 横から接近 上には鳩が楽しげに 廊下橋内部 「利用」時間という表記
ちょっと進む 廊下橋からの景色 外にカメラを出してみるとこんな感じ 廊下橋を抜けた景色 逆から廊下橋

 そして,いよいよ本丸。まずは冠木門の礎石。おお,なんだかんだと案外残っているではないか。
 そして,今は亡き内堀跡の解説板や,人柱お宮の解説も。思ってたよりも城に対するやる気があって,いい意味で拍子抜け。
 で,解説によると,「手前の階段を下り,お堀に沿って天守台の下にお宮を祀った祠」があるとのこと。実はこの時点で天守台がどこにあるか分かってなかったのですが,とりあえず目の前にある階段を下りて進んでみます。お宮の解説の存在から,立入禁止の看板は堀に立ち入るなという趣旨であると解釈してお宮さんの方に向かいました。そのお堀ですが,よく見たら案外浅いんだな。それでいてこれだけ透明なのは,冬だということもあるでしょうが,このコンクリ犬走りのおかげなんだろうな。さらにいえば,お宮さんの祠に行けるのもコンクリ犬走りのおかげだよな。世の中,何がどう生きるか分からないものです。こういう感想で合ってるのだろうか。
 結局,元に戻る道中ほかの人とも犬走りのところですれ違ったり,地元人っぽい方が犬走りの上から鯉に餌をやったりしていたので,まあ堀に入るなという解釈で間違ってないということにしておきます。

冠木門礎石 土塁越しに廊下橋 内堀跡 人柱 お宮の開設 廊下橋を逆角度から
犬走りと石垣 人質櫓方向の石垣 遠目から廊下橋 お宮の祠 堀が案外浅い 階段下にあった観音像 (お堀への)立入禁止看板

 さて,本丸に戻って奥に進むと,左手に天守台。どこから登ったらいいのか考えてたら,庭園に出ました。どういう趣旨の庭園なのか,昔からあったのか文化会館をつくるついでにつくったのかは全く解説がないので分かりません。というか,さきほどの廊下橋の一帯以外に解説が全くありません。人質櫓は現存櫓のはずなのですが,中には入れないのは仕方ないとしても,現存アピールくらいしてもいいんではないかと。
 そして,天守台へ。天守台への階段はあまり整備されておりません。そして,天守台の左手には北二重櫓のあった櫓台と,そこを結ぶ北渡櫓のあった石垣。ここが復元されたらさぞかし壮観だろうと思いますが,まあそれは予算的にきついとしてもせっかくの天守台と石垣なんだからもうちょっときれいにしてもいいような……。あ,きれいにしてほしいのはもうちょっとだけであって,大予算組んで盛大に綺麗にされるとそれはそれで大惨事を招きかねないのでご勘弁。あと,事故防止用のフェンスがついています。まあこれは仕方がないのだろうけど,ちょっと邪魔だなあ。もうちょっと背を低くするとかなんとかならんもんでしょうか。ベストは八代城みたいにフェンス完全撤去自己責任だと思うけど。

庭園 奥に人質櫓 家紋 顔がつぶれているような
天守台を見上げる 天守台への階段 北渡櫓ががあったはずの石垣 廊下橋を見下ろす 鯉に餌をやってるおじさん 人質櫓方向
山里丸松栄神社方向 天守台の様子
昔からこんなに平坦だったのか?
天守台から廊下橋を見る 天守台から人質櫓 やはり面白い造形
隅櫓を見下ろす 目の前に見えた
面白い装飾のビル
天守台から現天守(文化会館)を見る 石垣と廊下橋を見下ろす

 てなわけで,せっかくの天守台なのだから,もうちょっとなんとか出来るのではないかと思うのでした。でもまあ,城で売っていく町でもなさそうだし,この天守台と堀が残ってることを喜んだ方がいいのかもしれないな。
 あとは適宜本丸を散策します。それにしても,解説板が見当たりません。廊下橋をでた一帯の解説の豊富さと比べたらびっくりです。で,事前情報だと確か2つほど現存櫓があるはずなのですが,いったいどれが現存なのか,もうちょっと現存アピールしてもらえるといいんだがなあ。

大友宗麟
とりあえず町の有名人の
胸像を作ってみたのだろうな
遠目から天守台 天守台からの渡櫓台は
木に覆われてよく見えません
井戸
いつからここにあるのかは不明
奥の隅櫓
城壁 着到櫓 大手門 スタンプ位置の案内 縄張り解説 櫓台と奥に天守台

 で,文化会館の中へ。中にはパンフレットと,ジオラマが置かれていました。パンフレットの作成は「くすのきクラブ」というところ。市や観光協会,教育委員会じゃないのか。
 ジオラマも,一部だけの作品になっています。これは場所的な問題の方が大きいのかも知れません。

 そんなわけで,城域を出て再度堀のまわりを歩きます。三の丸の解説はずいぶん新しいな。なんかこのあたり,関係機関が上手く連携できてないのかも知れません。
 で,あとで見たらもう1つの現存櫓は宗門櫓。外観上,面白いなーとは思っていたものの,中から近づいて見るのを忘れてました。文化会館裏に位置しているので,どこまで近づけるのか分かりませんが。ネットで検索してみても,宗門櫓を内側から撮った写真が出てこないので,もしかしたら近づけない設定になっているのかもしれません。

ジオラマ 縄張り図 パンフレット もう1回,廊下橋と櫓台 隅櫓 宗門櫓
大手橋 着到櫓 犬走りと石垣 大手門 あんない 三の丸の案内

 そんなこんなで,バスで大銀ドームへ。
 バスは予想よりもすいていて,座れました。ドームまでの時間も,市内の渋滞を抜けるのに苦労したあとはすいすい,という印象でした。帰りは寝落ちしたのでよく分からず。
 臼杵で食べ損ねただんご汁をようやくここで食べることが出来ました。汁を捨てる場所が分からず,便所で捨てる羽目になったのですが,これはこっちの観察力の問題なのか…

カボたん 大銀ドーム 数年後にはまた
名前が変わるのだろうか
開催地でした こういうのはいいですね
大分側も相性いいから
展示していて気分いいんだろうな
コンコース フィールド だんご汁 終了 大分駅

 試合自体は,開始直後の大惨事を思えばまあ引分けられてよかったかな,とは思うのですが,他方で前半のうちに同点にできて(1−2の最中,なんでこの展開で負けてるのか本気でわからなくなりそうでした),後半あれだけ一方的な展開で点を取れないというのもね…。

 で,夜は博多で飲み。ご参集いただいた2人には感謝であります。


旅行記TOPテーマ別