福岡城登城その2

 さて,いよいよ福岡城に登城です。
 ちなみに,ここ福岡城にもボランティアガイド制度があるようで,一団がNPの前を歩いておりました(途中で抜かした)。本当はご一緒させていただくと理解が深まるんだろうと思うんですが,このあと柳川に行かなきゃ行けなかったりする関係上,ある程度こっちのペースで巡りたかったんで,パス。採訪することがあれば,今度はちゃんとしかるべき方から話を伺いたいところであります。

 てなわけで,東御門跡の枡形を抜けていきます。いきなり凄い石垣です。さすが近世城郭。

東御門跡まわりの石垣 福岡城物語
炭櫓,革櫓の写真があります
てことは,これらが焼けたのは
つい最近ってことか…
のぼっていく 振り返る

 で,福岡城は二の丸が二重構造になっており,案内の石をみると,片方は「東二の丸」と表記されております。てことは,もう片方は西なんだろうと推測するところですが,必ずしもそういうネーミングでないこともあろうかと思うので,あくまで推測にとどまるのであります。……と思ってよく解説を見てみたら,「二の丸」「東二の丸」「南二の丸」の3つに分かれる,と書かれておりました。いっそ二の丸,三の丸,四の丸,五の丸……と名付けていけばいいような気もするんですが,そういうわけにはいかないんでしょうね。四の丸の「四」が忌避されたのでしょうか。
 解説によると,二の丸御殿があったようなので,天守よりもこっちを復元してほしいと思う次第であります。資料はないんだろうか。


東二の丸の中心はグラウンド 東二の丸 二の丸解説 二の丸本体まわりの石垣 ノミの跡がくっきり
扇坂を進んでいく ここが「扇」かな? 枡形を見下ろす

 そんなわけで,二の丸本体に入ります。梅で有名とのことでありますが,梅の時期は外れているので特になにもなし。
 さすが城跡だけあって,地元の方々が鯱の真似をしておりました……とか書くと怒られそうだな。

 そして,まっすぐ進むと本丸石垣。上に祈念櫓が見えます。下から見ると,ここ最近作った建物にしか見えないな…。
 このあたりには,花見用・休憩用にベンチが設置されていたりして,雰囲気もよかったので,ここに荷物を放置して場内探索に向かうことにしました。修羅の国福岡とはいえ,日本だから大丈夫なはず!


祈念櫓
 
下を見下ろす

 そして,本丸です。現存建物は祈念櫓のみ。上にも書きましたが,この祈念櫓,最近作った建物にしか見えないです……。解説(木に隠れて読みづらい)を見る限り,あちこちに移築されて転々とするなど,紆余曲折を経てもとあった場所(厳密には違うようですが)に戻ってきたようです。凄いな……。


本丸解説

本丸二之丸間の石垣
いかにも昔多聞櫓なり
城壁なりがあったような
石垣ですね

解説
木と葉が邪魔だな
 
なぜ安っぽく見えるのか考えてみたところ,
消火設備がよくないんじゃないかという結論に至りました

こう見ると,櫓台に比べて
櫓がなんか小さすぎない?

高石垣

奥の櫓台には
月見櫓があったようです

月見櫓から祈念櫓方向
 
小天守方向

大天守台

 で,天守台に上がっていきます。
 上に小天守だなんだと書いたのですが,実はあがっていく時点ではそんなこと分かってませんでした。そのため……階段をのぼった先には細い道しかなく,当時の姿がなんだったのか頭をひねるハメになりました。てっきり「門を開けた先にはなにもなかった…!!」的な引っかけ門だったりするのかと思ったり。
 さらに結論を先取りすると,ここの特徴は「小天守,大天守,そして中天守があった(とされている)こと」であります。ところが,「小天守台」と「大天守台」はあっさり発見できるんですが,「中天守台」が見当たらないんですね。大天守推定復元図なんかを見ても,「天守復元」とか書いてくれてるのに,中天守がどこにあるのかさっぱりなのです。素人はこれではこれ以上予想できません。石組みを見ただけで語れるほどの知識などないのです。で,どうも小天守と大天守の間にある建物が中天守のようです。つまり,この階段を上がって左手に小天守,続櫓を経て正面方向に中天守ってことですね。違ってるでしょうが,とりあえず自分はこれで自己満足することにしました。これ以上考える時間もナッシング。

階段をのぼった先
なんでどん詰まりになるのかとしばし思案
向こう側が小天守 小天守から奥側の石垣 武具櫓があった方向 大天守台と小天守台
武具櫓跡は現在発掘中。黒田官兵衛で予算が付いたが間に合わなかったのか,
それとも単に発掘の順序的にこうなっているだけなのか
大天守台

 そして,埋門跡をくぐって(正確には,埋門跡の石垣を通っただけで,くぐったのは現代に作られた歩道だけど)大天守台に向かっていきます。
 この大天守台まわり,大天守台もそうなんですが,鉄御門〜埋門の流れが美しいですね。これは素晴らしい。そして,大天守台に上るとこの流れがしっかり見えるので,これが素晴らしい。大天守台の整備は若干やり過ぎな気もしますが,まあこれくらいならそこまで風情を損ねず,一般の方々も満足できていい感じなのではないかと。

埋門 埋門を抜けて大天守台 鉄御門方向 登っていきます
この櫓台にあった
櫓の名前は不明
階段から埋門を見下ろす 大天守台方向
武具櫓御門方向を見下ろす 大天守台石垣 土蔵内部 解説
埋門 鉄御門〜埋門の枡形 鉄御門 土蔵内部 向かい側の石組 二の丸
小天守方向 武具櫓方向 別角度から天守台内部 降りていきます 本丸解説
埋門 鉄御門へ 階段 いい反り返り 本丸石垣

 いやぁ,何度も書きますが,この埋門〜大天守〜鉄御門まわり,もっといえば小天守まわりも含めて,素晴らしい石垣と縄張りですね。さすが黒田,というほどに黒田を分かってませんが,しっかり考えて設計され,つくられたのがよく分かります。

 さて,城めぐりはまだまだ続きます。遺構は破壊され尽くされても困りますが,たくさん残ってると見て回るのに時間がかかってこれはこれで困ってしまう,所詮はニワカなのであります。
 で,本丸裏御門坂を下って,再度二の丸に出ます。一応,南二の丸,という表現になるのでしょうか。

武具櫓御門への坂と
そこを押さえる櫓台
手前の櫓台と奥の大天守台
石垣の二重奏や〜
本丸裏御門
裏とはいえ,ぱっと見,
表御門と幅はそんなに変わらず,
かなり大きな門だったんでしょうね
井戸跡。地震活動予測システムが設置されてます 本丸表御門
振り返れば櫓台 御時櫓というようです
時報でも設置されたのかな
御時櫓台から
本丸表御門を見る
木が邪魔でなにも分からず
本丸裏御門坂

 さて,裏御門を降りて,二の丸。
 向かいには武具櫓御門があります。が,そっちには目もくれず,さらには南丸多聞櫓が気になりつつも,桐木坂御門方向に向かって,さらに下っていくのでありました。

 そして,現存遺構である多聞櫓の下をえっちらおっちら歩いて行くのでした。

解説 裏御門まわり
時打櫓の復元を強く希望したいところ
武具櫓御門への坂と櫓台
今更二の丸解説 桐木坂を下っていきます 石垣の流れがいいですね 桐木坂門まわり

三の丸解説

植物が相当根を張ってるようですが
石垣は大丈夫でしょうか

地図には,追廻橋御門跡
とありますが……

櫓台石垣

6号濠

櫓台から多聞櫓方向

石組みが興味深い

南丸の裏手を進む
  
南丸の隅櫓台

南丸廻りの石組み
積み方からして,
昔はこのあたりがメインだったのでしょうか
   
南丸と本丸の間を抜けていく。水の手御門跡,とのこと。

 で,よーやく南丸へ。やっと終わりが見えてきた。
 現存遺構である多聞櫓に期待が高まります。

 てなわけで,南丸。
 多聞櫓は通常時は立入禁止ですが,まあ現存建築物なので仕方ない。それはいいんですが,隅櫓。老朽化が目立ってます。天守復元計画はいいんですが,これをなんとかすべきなんではないでしょうか……。
 この多聞櫓,解説によると,16の小部屋に分かれていたようです。ある程度分けるのは分からないでないですが,16にも分けるのは使い勝手が悪くなるだけじゃなかろうか。ちょっと理由が分からんな。

 てなわけで,一応メイン部分は見終えたので,鞄を回収して(無事でした!),降りていきます。現在では車道になってますが,ここは一応松木坂御門跡とのこと。当時はどれくらいの道幅だったのかな?

多聞櫓開設 南丸へ 南丸 多聞櫓 隅櫓
老朽化が目立ちます… このゴミっぷりは
八代城を思い出す
こっちは装飾が少ない 松ノ木坂解説 松ノ木坂と櫓台
松の木が全く見当たらないのですが…
桜にとってかわられたかな?

 ようやく終了。う〜ん,危惧していたとはいえ,いい時間だ。
 といいながら,降りた先にある藤棚でさらに時間を消耗。まあ,花を見て心を洗うのも立派な城見学のあり方です。


 で福岡城はまだまだ遺構が続きます。
 旧母里太兵衛邸長屋門,名島門。まあ,門だけ独立しておかれても見る方としては扱いに困ってしまうところですが。


 そして,ここには芍薬園があります。せっかくなので寄っていきます。
 かつては黒田如水隠居地だったとのこと。


 そして,最後に(伝)潮見櫓&下之橋御門。潮見櫓は潮見櫓でなく,ここにもなかったようですが,現代の見た目という観点からは,この潮見櫓と下之橋御門のセットは大変美しいのもまた事実なのであります。まあ,今之時代における城の役割,という観点からはこれでもいいんじゃなかろうか。



 福岡城は,近世城郭だけあって石垣がしっかりしていて,また内部も広く凝っていて,非常に見所の多い城跡なのですが……
 なんというか,木の緑がいまいち。石垣と自然美ってうまくマッチして非常に美しい姿を見せることが多いんですが,ここはむしろ木が邪魔で,また石垣も中途半端に緑がかっていて,なんかあまり美しくない。まあ,これは完全に僕の主観ですが……。
 まあ,桜の公園に石垣がある,という考え方をすればいいんだろうな。おそまつ。
 

おわび
駅長も大変だ

官兵衛ちかまる

 てことで,柳川へ。本当は光雲神社にも行きたかったんですが……。
 あと,今ちらっとネットを見てみたら,このサイトが面白そうでした。まだ全部見てませんが。


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