ユキノショクブツエン(字余り。ユキノボタニックにすればよかった)

 東京に雪が降り,後楽園,安田庭園とまわって,さらに数日。2月11日建国記念日に,小石川植物園に乗り込みました。「小石川」とあるのに,なぜか完全に場所を勘違いしていて,西片〜白山方向にむかってしまいました。思い込みって怖いですね。

 そんなこんなで,無事到着。入場券は向かいにある売店で買う方式です。この時代の東京にこの手の場所があるとは。普通に入場券チェックもするんだから,窓口で売ればいいように思うんだけれど,現金扱うからそういうわけにもいかんのだろうな。


 さて。「植物園」と名のつく場所は神代植物園以来であります。大学,しかも東京大学付属の植物園だったら神代植物園よりも解説が充実してて楽しいかな,という期待がありました。
 そんなわけでまず登場するのが精子発見のソテツ。東大助教授の池野成一郎氏がソテツに精子があることを発見したとのこと。植物学に疎すぎて,このことがいかに凄い業績であるのかいまいちピンとこないのが我ながら残念。無学はこういうときに困ります。それにしても,「ソテツと雪」って,なかなか見ないカップリングですね。
 そして,ロウバイ。ウンナンロウバイという品種のようです。さすが植物園だけあって,品種の細かいところまで紹介してくれます。でも,期待していたそれ以上の解説は特になし。


 続いて,本館を横目にシダ園,それから柴田記念館へ。シダ園も特に個別のシダについての詳細な解説は無く,名前だけ。
 柴田記念館には人が常駐していて,グッズ販売も。でも,期待していたような植物解説はありませんでした。いやもちろんそこまで植物に興味があるわけでは無いんだけれど。


寒椿には雪が似合う

 それから,メンデルのブドウ・ニュートンのリンゴと有名どころを経由して,温室の閉室も確認して奥に進みます。


品種は不明なんですね

 で,乾燥場跡,精子発見のイチョウと歴史的なものを2つ見て,サルスベリやカリンの木を抜けます。関東大震災記念碑を見て,ようやく,期待していた梅園に到着であります。
 このあたり,まあ寒いってのもありましたが,もうちょっと解説があると嬉しいところです。まあ,大学側として一般客向けの解説なんか設置してる金があったら研究に使うんだろうけれど。
 それにしても,植物園内は起伏があってとても広く,さすが日本の最高学府の植物園だと思わされます。いやぁ,普段の僕の生活からみたら完全に別世界ですな。


 というわけで,梅です。普段小石川後楽園の梅園に慣れていると,見慣れない品種の梅が多いことに気付かされ,梅の世界の奥深さを感じずにはいられません。感じるだけにして,盆梅マニアとかにならないよう注意する必要がありますな。

梅園風景 未開紅 八重海棠
道知辺 ネコ
扇流し 五節の舞

 最後に,庭園をまわります。池泉回遊式庭園であります。奥に近代的な建物があります。総合研究博物館小石川分館という,名前が仰々しいわりに何を研究してるのかよく分からない建物であります。これが松本開智学校で学ぶ擬洋風建築in東京でありますな。旧東京医学校。Wikipediaさんによると,東京大学に現存する建物としては最古とのことであります。


白と黒

 あと,歩き回っていたら奥にお社がありました。いつからあるのか,ちゃんと石碑を読めばいいんでしょうが,こういうところで怠慢こくからいかんのであります。
 鳥居の脇に南無妙法蓮華経の石碑。神仏習合の名残でしょうか,それともあとからここにもってきたのか。このあたりは法華宗が強かったのかな。大名屋敷の名残かもしれないな,などと,たいした知識も持たないのに適当なことを書き散らしてみたいと思う次第です。
 旗の奉納もあるようですが,誰が管理してるのだろうか。あと,お供えのヱビスビールの缶は見たところ新しいですね。雪とかで倒れなかったのか,それとも植物園の人がきちんと管理しているのか。


よく分からない石積み

 というわけで,植物園としてはちょっと期待してたんと違って個人的にはがっかりでしたが,それでも梅は見られたし庭園は気持ちよかったし,ニュートンやメンデルの名前を見られてさすが大学付属植物園という空気もあったし,来てよかったです。



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