ドンカスターをまわってみたー

 そんなわけで,場内探索の一環として,FamilyStandに向かいます。

 Family Standという名前がついているのだから家族連ればっかりか……というと,そんなことはなく,普通に着飾った紳士淑女が大勢おりました。たしかFamily Standにはドレスコードなかったけど,おそらくみんなドレスアップしたいんだろうな。言うなれば,紳士淑女の格好をするハロウィンだ。とはいえ,さきほどのGrandStand内の喧噪に比べるとまだまだこちらは静かであります。なので,最終的に家族連れがどの程度の割合になったのかは不明なのでありました。

 こちらのスタンドは1階にバーがあり,その上に立ち見席があるという簡単なもの。このスタイルはイギリスに限らずよくあるタイプです。というか,スタンドにそんな複雑な構造をつくる必要なんてないよな。この簡素なスタンドは,ちょっと宮崎を思い出しますね。

チケットチェック
ここで追加料金21ポンドを払えば
Grandsatndにアップグレードできると思われます
スタンド裏側
ひっそりとたたずむ飴屋さんが儲かっているのか謎です
そんなに需要があるのだろうか
スタンド裏の裏にある
仮設トイレ
ターフ側でぐるっと写真を撮ってみた。ブックメーカーが設営中であります。さすがにこの時間にはスタンドには誰もいません。
ビジョンは奥に1カ所とターフ越しに1カ所の計2つ。もちろん見たければBarでもレース放映されてます
ゴール直前を見られないとしても,充分に観戦して楽しむことはできるのではないかと
待機するゲート車
スタンドに登ってみる
誰もいないかと思ったら1人座ってた
上は木の屋根で
一応明かりもつくみたい
ここだけやけに鳥の糞が と思って上を見たら
ここから侵入できるんだな
スタンドから150度くらいの眺め
ごちゃっとしていて,ゴール付近を直視するのは難しい
ファミリー向けに?
フェイスペインティングできます
フェイスペインティングって
ほかの競馬場でもやっていて
イギリスでは遊びとして
一般的なものだと思われます
Grandstandとの間のフェンス スタンドを振り返る
もちろん子連れもいます 馬場の反対側って
どうやったら行けるのか
最後まで謎でした
3つのスタンドが並ぶ
この景色は美しい
ファミリースタンド まだまだ飲み会は始まっておりません
ここからバーに入れます スイーツ屋さん Barの中
ブックメーカー(Ladbrokes)と主催者(Totepool)が同居
Toteのマークカード
ルール ピントずれたけど,Bar 中には馬の絵が飾られてました
これはRockSand
史上10頭目の三冠馬
ぼやけたために馬名不明 Silver Patriarch
1997年のセントレジャー馬
これも馬名不明 みんな知ってるセントサイモン
(但し知られてるのは
「セントサイモンの悲劇」の
文脈がメインだと思われる)
当地で勝ったのは
セントレジャーではない
セプター
メイドオブコリント
1902年のセントレジャー馬
同年6月に5走というあたり
時代を感じますね
Lutter III
これ以外になにも
ヒントが見当たらず
とりあえずセントレジャー馬ではない
Pretty Polly
牝馬三冠馬にして
1904年セントレジャー馬
ハンバーガーとアイスクリーム
Family Standの食事は
Barかここしかないっぽい
スタンド あらためて,スタンド裏 Family StandとClocktower Standの中間点
奥に進むとPreParadeRing
こっちを通って馬場に出ることもできるっぽい

 さて。FamilyStandをあとにして,Grandstand領域に戻ります。
 見た目が「それっぽい」ので気になっていたClocktower Standへ。でもその前に,裏手のトイレでちょっと小用……と思ってトイレに入ってびっくりしました。こんな豪華な仮設トイレがあったのか!!さすがイギリス競馬!仮設トイレもゴージャス!!
(なお,並びにあるほかのトイレはここまで豪華じゃなかった。なんなんだこの格差)

Clocktower裏の仮設トイレ 入口 なにこれ!!

 さて,それはそれとして,Clocktower Standを正面から見るため,馬場側に出ます。

Clocktower Stand 三変化

 まあ,時計台が目立つためにスタンドもなんか凄そうに見えてしまうのですが,近寄ってみると単なる1階にバーの入った立ち見スタンドにすぎません。なお,写真によると,1階のBarは"ClockTowerBar"というそのまんまな名前のようですが,中に入った記憶がないし,事実中の写真がありません。なぜ中に入ろうとしなかったのかは不明であります。
 そして,なにか由緒のある歴史的建築物なのかと思っていろいろ調べた結果,とりあえず何も発見できず。ClockTowerCupというレースがあるので,競馬場側もそれなりにClockTowerに対してなんらかの思い入れはあるようですが,もしかして歴史的建造物でもなければ,あるいは100年前に破壊されたものを模して再築したとかいう由緒もないのだろうか。ううむ。なんか期待して損した。
 なお,接近してみた限り,そこまで古そうな建物に見えないのも事実。ただ,この国の建物って見た目から築年数判断しづらいからなんともいえんな。
 まあ,ぐだぐだ書きましたが,それでもやっぱり絵になるスタンドであることは間違いないと思う次第です。

馬場側からグランドスタンドとFamily Standを見る ここから本馬場入場します ハロン棒
パドック
ここから上の本馬場入場用の
ダートコースにつながるわけですな
パドック越しに
グランドスタンド
再度パドック周りの風景 もう一回ClockTowerStandを見る
うん,やっぱり美しい
GrandStand側から

 そんなわけで,パドックにやってきました。通ぶってパレードリングとか呼んでみたいところですが,やっぱりしっくりこないのでパドックにします。でも,PreParadeRingをどう訳したらいいのか,我輩の辞書にPreParadeRingの訳語はないのであります。そもそもパドックは訳語なのか,などど言ってはいけない。あと,ネットで見ると「プレパドック」という言葉をあててる人が多いな。
 まあ,パドック自体は特に何の変哲もないんですが(酔っ払いが集結するするあたりのことはあとで書く),やはりイギリスだけあって,騎手の通り道なんかはオープンです。一番警備の厳しそうなアスコットでオープンだったのだからもうほかもオープンだとしか考えられない。そして,パドックはウイナーズサークルも兼ねております。アスコットやニューマーケットは全く記憶にないんですが,パドックとウイナーズサークルを兼用するというのはイギリスではあちこちでは見られる現象。まあ,馬場と馬房をつなぐルート上にパドックがある以上,レース後にパドックに馬を通すことは極めて合理的。特に,PreParadeRingがある競馬場は次のレースの馬の心配も不用だしな(PreParadeRingのない競馬場もパドックをウイナーズサークルにしてたけど)。あれ,とすると,イギリス競馬を模範にしたとしか考えられない日本競馬はどこからウイナーズサークルを輸入したのだろうか。他の国(アメリカやオーストラリア)での記憶が完全にぶっ飛んでいて,ちょっとどうなってたか分からない。ロシアは馬場でやってたことは覚えてるんだが。

パドック入口
パドック内に立ち入れるのはオーナー,調教師,騎手のみ
子供は12歳以上であります
馬主は家族のほかに誰が入れるんでしょうかね?
あと,パドック外には,
日本で言うところの「馬主席」がありませんが
当該レースと関係ない馬主も内側に入れるのでしょうか??
この白線の内側を騎手が歩く 記念撮影中 レース前なので
表彰台には
スポンサーの看板がありません
逆側からパドック
当然横断幕はありません
WinningPost
イギリスのWinningPostは
どこも簡素であります
馬場を見る フェンスの奥は
County Enclosure
County Enclosureの人は
ここから馬場を通って内馬場にいけるっぽい
(写真に撮ったのに忘れてた
ので,記念碑的に前のページの記載ををそのまま残しておく)
County Enclosure側は
人で埋まってますな……
GrandStandを見上げる チケットチェック パドックから検量室に向かう道 検量室

 完全に順番は前後しますが,続いてPreParadeRing。
 馬がいないと人もいません。特になにも面白いことはありません。なお,イギリスはどこにでもPreParadeRingがあるもんだと思ってたら,ない競馬場もありました。というか,あのエプソムになかった。

入って左手にあります 装鞍所 こんな場所から見ます 一応,馬の見方の解説も

 さらに針を戻して,グランドスタンド入口周り。なんといっても,絵になるのは馬の像。ダブルトリガーという馬であります。当然セントレジャーを勝った馬かと思ったらそうではなく(いやイタリアセントレジャーは勝ってるんだが),ドンカスターカップを3勝し,英国長距離三冠達成した馬のようです。なお,日本のWikipediaはドンカスターカップを日英一記事にまとめるのをやめてください。

Double Trigger

 さて。そんなわけで,一応ぐるっと一通り競馬場内を探索しました。というわけで,続いての行動は,食事であります。
 かつてアスコットでフィッシュアンドチップスにやられた痛い記憶と,ニューマーケットで食べてたら話しかけられたよく分からない記憶。NPのイギリス競馬での食事の記憶はこの2つのアバウトな記憶だけであります。
 競馬場内には,いくつか屋台が出ております。ハンバーガーとか,いかにも「ザ・競馬場」という店ですね。ここイギリスでも競馬にはジャンクフードが出てくるのです。もしかしたら貴族が普段食べられないジャンクフードを食べる機会になっているのかもしれませんが,貴族と縁がなさ過ぎて貴族が普段何を食べてるのかさっぱり分かりません。手でハンバーガーを握って囓ってるイメージは皆無なんだがな。
 他方,グランドスタンド2階(特記ない限り日本的意味における2階。以下同)にはフードコートがあります。「たまたま店が集まっている場所」ではなく,本当に「フードコート」と名付けられており,なんというか,イギリス競馬がだんだんと庶民方向にすり寄ってる感じがしますね。フードコートに並ぶ店も基本的にジャンクフードです。ピザとかパイとか。いや,パイがイギリスにおいてジャンクフード寄りの食べ物なのか,高級品の庶民向け簡易版なのかは分からんけど。今度日本の競馬場に来た外国人がいたら(そんな知り合いおらんけど),「モツというのは普通の日本人は食べないものであり,JapaneseSpecialFoodである。そこらにあるラーメンや焼きそばと同一視してはならない」と教育してやろう。うん,間違ってはいないだろう。
 そんなわけで,フードコートでミートパイ食べました。一緒にイモとビーンがついてきます。この付け合わせがイギリス的ですね。で,かかっているソースがグレイビーソースです。もちろん,「かけてくれ」などと申し入れる語学力はありませんから,日本人らしくイエスイエス言ってたら勝手にかけられただけであります。で,このグレイビーソースがなんなのか全く分かってなかったわけですが,Wikipediaさんによると,調理された肉から出る肉汁 (jus de viande) を元に作られるソースとのことであります。なんでイギリスのソースのくせにフラ語っぽいのが出てきてるのかは謎ですが(フラ語かどうかも確認してません),とにかく,定義だけ見てると果てしなくおいしそうなソースです。だけんどもしかし。こいつがイマイチ。なんか味がない。イギリス料理は味がないという言説をよくみかけますが,それがこの定義だけおいしそうなソースにも現れているようです。まあ,イギリス2日目なので特にアレンジすることもなくそのまま食べました。ただ,その後いろいろ回った結果,グレイビーソースがおいしい店もありました(ナショナルギャラリー近くの,BTと一緒に行った店とか)。なので,まあ「貴族にまずい飯を食わせる」「まずい飯を食わせることで馬券を当てておいしい料理を食べるインセンティブを与える」あたりを目的としているのではないかと勝手に解釈することにします。

ClockTowerStand裏の屋台3つ フードコートの様子 パイと付け合わせ アイス アイス移動販売車

 さて。
 あとはグランドスタンド。何回か出たり入ったりしておりますが,まとめて自分の記録と記憶用に。なお,GrandStandは正式にはLazarusStandと呼ぶようですが,このLazarusがなんなのかがちょっと検索しただけは分かりませんでした。マークとかを見る限り,おそらくこのLazarusPropertyという不動産会社じゃなかろうか。日本で言うなら三菱地所スタンドってことかな。

グランドスタンド 横から ここから中に入る


 最初に書いたとおり,中(LazarusExhibitionCentre)に入ると,酒のにおいがします。たぶん下戸じゃないと反応しないレベルですが(但し,宴もたけなわとなった後は別。てか,こんな場所でみんなビールこぼしまくるの分かってるのに絨毯敷きにするのは,ビールこぼしまくるの分かってて滑って転ぶのを防止するためなのだろうな)。で,広々とした,地震がないからこそ設置できるであろうスペースに,入って左側にバーカウンター。右側にはステージがあったり,さらに奥にはブックメーカーがいたりします。
 このスペース,名前からして,Lazarus社が競馬以外のイベントも開催できるように設置した場所なんじゃないかと思われます。たしかにここなら結婚式から展示場からなんでもできそうだ。



 そして,ここにででんと店を構えるブックメーカーこそが,St.Legerの冠協賛企業であるLadbrokesであります。
 なんというかですね,ある意味競馬場の商売敵であるところのブックメーカーが競馬場のメイン競走の冠協賛してしまうというなんか日本人的にはよく分からん状態になっております。まあ,それだけブックメーカーが広く浸透してるってことなのでしょう。日本だと山口組杯菊花賞だからな。
 そして。このブックメーカー,ブックメーカーであるからには当然競馬以外の賭けも受け付けておりますし,場外も受け付けております。そして,発見しましたメルボルンカップ。これを書いてる時点ですでにフェイムゲームが惨敗してるのですが(セントレジャーと出走馬がかぶるので覚えてたら後で再度触れる),とりえあえずこの時点では当然フェイムゲームは惨敗しておりません。で,フェイムゲームは本番でも(オーストラリアでも?)1番人気になったようですが,この日の時点でもLadbrokesは1番人気評価をしておりました。
 なお,この時点ではホッコーブレーヴの名前がありません。こういうときってどうやって賭けたらいいのかね。というか,賭けられないのか。
 そういえば,ブックメーカーに関しては,日本ではWilliamHillが有名ですが(自分だけ?),WilliamHillは名前が一般的すぎて町になじんでしまうこともあり,とにかく目立つのがこのLadbrokesとCORALの2社。なんというか,あちこちにあります。「こんな狭い町になぜ」というレベルであります。そして,日本だったらWINSやサテライトは大きな市に一箇所,みたいなイメージですが,ここは大きな商店街に1カ所レベルで支店が出てます。支店数数えたことありませんが(誰かやってるに違いないだろうけど,検索する時間も気力もない),日本のパチンコ屋レベルであるんじゃなかろうか。パブの片隅にTABがあるオーストラリアはさておくとして,パチンコ屋を指して「街中にこんなに賭場があるのは日本だけ」と言われてることにちょっと違和感を覚える次第。それくらいたくさんあります。しかも,どこもすかすか。儲かってるのかこいつら。
 そして,Ladbrokesの横には当然TOTEPOOL,つまりパリミチュエル方式で馬券を売ってる場所もあります。時間が許せば,こことブックメーカーのオッズを比較して評価を比べてみるといいんでしょうが,なかなかそんな余裕ないですよね。

左にTOTEPOOL
右にLadbrokes
こんな感じに多数オッズ表示が フェイムゲームが12倍で1番人気

 まあ,スタンド自体は天井が高めで広々している,基本的にみんな飲んでる,という点以外はまあ普通といえば普通。でも,広々していて,やっぱり日本ほどごみごみしていないので,なんとなく雰囲気は明るいですね。セントレジャー以外の日は広々ではなく閑散になるのではないか,という悪寒もありますが。



馬場側から中に入ったところ 奥はCounty Enclosure 店が並ぶ 宝石店もあります フードコートへあがる
エスカレーター
TOTEPOOL
日本ならば鉛筆ですが
この国ではペンであります
このペンが使いづらい……
悪魔の機械
キャッシングマシーン

 そんなわけで,行き場のない写真をぺたぺたと。
 フードコートから外に出ると,2階テラス的な場所に出ます。ここにもちゃんとBarがあります。とにかく酒を売りまくるのです。下戸からしてみたら,これだけBarがあるんだからどこか一箇所くらいまかり間違ってアイスコーヒーとウーロン茶を売ってるんじゃないかと期待したくもなりますが,当然イギリスにそんなものありません。無念。

フードコート入口 テラスの様子 テラスからの眺め
PreParadeRingを見下ろす
さすがにここからだと遠い
ClockTowerStand方向 パドックと馬場方向

 その他,さらに行き場のない写真をぺたぺた。

  
PreParadeRingの奥
ClockTowerStand裏の仮説Bar
とにかく大量に居並ぶブックメーカー
見たところ,みなさんオッズとにらめっこしながら
使い分けてる雰囲気がないのですが,
実際問題どうやってブックメーカー選んでるんだろうか
グランドスタンドからの眺め
   
ジョッキーチャンピオンシップってのをやってるっぽい タバコ屋
全く吸わないから分からんけど,
聞くところによるとイギリスのタバコ代は
かなり高いらしい
気付いたらなにか掛け合いが始まってた

 てなわけで,場内探索もほどほどに,いよいよレースの開始であります。気付いたらPreParadeRingに人が続々と。


ドンカスター競馬場その1その3


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