菊間探索

 菊間と言えば,一般に知られるのは菊間瓦(いやもちろん,私はつい最近まで知らなかったですが…)。この菊間瓦に関する展示をしているのがかわら館です。地方にありがちな寂しい資料館をイメージしてはいけません。ここは政治力あふれる愛媛の博物館。城のような立派な建物が登場します。後方には山がそびえており,いざというときは山に逃げ込むことができます。武田でいうところの要害山の役割ですね。あるいは,香川からミサイルがとんできても山が遮ってくれるかもしれません。台北の故宮博物院の役割ですね。

 とまあ,くだらないことはさておきます。さすが,雨の日だけあって,豪華な見た目に反して来館者数は少ないです。まあ,運営者の心配をするのが役割ではないので,気にしないで中を見学します。

初めて見るタイプ なにかと立派な建築であります

 入って2階は,菊間瓦が様々な場所で活躍・利用されたことが展示されております。
 やはり,皇室御献上ということの価値の大きさが,自分には分からないレベルで,よく分かります。



瓦灯籠 荒神社の狛犬 菊間瓦音頭 組合員の屋号印
笑う鬼 明治宮造営に菊間瓦が用いられた,とのこと
この時代だと,かなり名誉なことだよなあ
菊間郵便局鬼瓦 加茂神社拝殿鬼瓦 艦上戦闘機愛媛瓦号
遍照院庫裏鬼瓦
市指定文化財
こいつは凄い
皇居造営に用いられた,とのこと 皇居菊巴瓦 宮内省から示された
御用瓦の雛型
道後温泉棟鬼瓦
     
菊間瓦の歴史

 そして,もちろん展示されているのが,瓦の工程に関する展示。
 さらに,全国・さらには海外のの瓦の紹介となっていきます。

 世界の瓦,ってのを見ていて,もちろん今まで世界各地で瓦なんてモノに注目して旅行したことはなかったんですが,確かに言われてみれば緑がかった瓦なんかは見た記憶があるような記憶があります(←あいまい)。

 そして,ここで残念なお知らせ。湿度と温度差の関係で,デジカメのレンズが思いっきり曇りました。すぐにスマホカメラに切り替えればよかったんですが,お馬鹿NPにはそんな頭脳はなかったのであります。

全国の瓦産地 被曝瓦 国分寺古代布目瓦
中国の瓦
確かに,こんな色のを見た記憶があるな
オランダ韓国 スペイン イタリア
淡路の陶器瓦 東大寺平瓦 沖縄赤瓦 日本各地の瓦
土船と沖仲士 埼玉県比企郡の鬼師
富岡昭さんの作品
静岡県袋井市の鬼師
名倉孝さんの作品
愛知県碧南市の鬼師
梶川亮治さんの作品
大分県の鬼師
生野盛さんの作品
このあたりから曇ってる
加茂神社瓦の神馬
曇ってるのがデジカメ,最後がスマホ
これは陶芸作品

 そんなわけで,終了です。
 瓦の世界も奥が深い。土や温度の違いで,そりゃあ色や堅さや加工のしやすさや,いろんなところに影響出るよなあ。

 瓦というと,自分的には自分の曾祖母がかつて「瓦のある家」に住めなかったこと(近所の瓦の家の人に見下されていたこと)でたいそう苦しんだそうで,私の祖父の家の離れで暮らすことになったとき,その離れには立派な瓦屋根をつけた,という話を思い出します。今となっては瓦の家への憧れというのはほぼなくなりつつあるんでないかと思うんですが(すくなくとも都会の人間的には),瓦というものが一種の社会的ステータスになる世界もあるんだよなあ。

お供馬の走り込みの瓦
これ,どうやってつくってるんでしょう!?
みきゃん バリィさん いらっしゃい! 日本一の瓦の大太鼓


 それから,遍照院へ。
 菊間には八十八箇所の札所はないようですが,ここ遍照院は厄除のお寺として非常に有名なようです。

線路を渡る 鐘門 境内
観音様やらお地蔵様やら大師様やら,さまざまな石仏,句碑も。瓦で仏様をつくる,という文化はなかったようです。
本堂には鬼瓦がぶら下がってました 山門 山門と,左右には鬼瓦
鬼瓦も阿吽の形になっております

 ってことで,菊間探索終了。

 帰りがけ,ぼーっと歩いてたらいかにも元銭湯な建物を見つけ,実際に元銭湯でした。まだ「菊間温泉」の看板が出ており,わりと最近まで営業していたのが分かります。

お供馬ポスター 今治初のいかやきのお店は閉まっておりました… 菊間温泉跡

 ってなわけで,また鈍行で戻ります。あちこちうろついたせいもあり,お供馬見物帰りっぽい人はやはりおらず。まあ,車社会ですからね……。


菊間お供馬へ


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