Trip From France

 フランスの一部には熱狂的な日本ファンがいて,日本アニメをこよなく愛している,という噂は聞いたことがありました。しかしまあ,自分がアニメをほとんど見ない(見るとしてもドラえもんとかの有名どころのみ)なので,そういう世界とは全く縁がないままに人生を終えるのだろう,と考えておりました。

 ところが。
 私が留学していたイギリスに,いたのです。ビックリするほど日本語を話す奴が。本当に,ビックリするほど日本語を話すのです。衝撃でした。しかも,「日本語は簡単。敬語とかはちょっと難しいけれど,外国語が結構日本語になってるからそんなに覚えることがない」などと抜かすのです。そりゃ男性名詞だの女性名詞だのと訳の分からんことをやってる民族からしてみりゃそうかもしれんけれども,それにしたってフランス人が英語やスペイン語を習うのとは訳が違うのであって,「簡単」とか言われると,じゃあ逆にろくすっぽ英語もフラ語もできないこっちはどうしたらいいのよ,と言いたくなるわけです。

 まあ,そんな彼が,仕事(日仏でなにか国際会議みたいなものがあったらしい)で日本に1週間ちょっと滞在することになった,とのことだったので,がんばってみかんの国から上京してみました。
 ちなみに。この彼はFacebookを使ってないので連絡手段はWhatsApp。WhatsAppはLINE同様1アカウント1携帯端末なので,非常に使い勝手が悪いんだよな。困ったもんだ。諸々設定を誤った結果,当時のトーク履歴が全部消し飛んでしまってます。あああ。

 彼とは東京駅で待ち合わせました。当日の行程はすべて彼に委ねていたところ,出光美術館→上野東照宮→小石川後楽園→太田黒公園→昭和記念公園の花火→新宿で夕食という,よくもまあこれだけ詰め込んだな&いったいどこからこんな情報仕入れてきたんだ,という流れになりました。そして,これをすべてこなしてしまったんだから凄い。毎度,適当に予定を詰め込んではいっぱいいっぱいになって最後の直線バテバテになる自分としては,尊敬に値するとしかいいようがありません。

 そんなわけで,東京駅で待ち合わせて,出光美術館。ここは写真無しです。11月の涼しい気候の中の散歩は気持ちいいものです。
 そして,上野東照宮。なんであえて東照宮ピックアップだったのかは忘れました。彼が翌日日光に行くので,あらかじめ家康公に挨拶したかったのかもしれません。自分としても,東照宮の有料ゾーンに入ったのは初めてだったのでよかったよかった。
 そこから不忍池に抜けます。

今東京駅のここにいる
と伝えるために撮った写真
東照宮 透垣 まさかこんなサイト
知らないだろうけど
一応顔はぼやかしておく
唐門
社殿。国重文 五重塔 弁天様となんか変な奴 不忍池

 不忍池からは,バスに乗って春日。このあたりは昔住んでたので,勝手知ったる場所です。純粋に懐かしい。ここを出てからまだ3年というべきか,もう3年というべきか。

 そして,小石川後楽園。ここは,このあたりに住んでたときによく訪れていた庭園です。なので,それなりに詳しかったりしまして,ヲタが喜々として観光案内するという地獄絵図が展開されたのでありました。おそまつ。
 それにしても,後楽園を訪れたのも3年ちょっとぶりでしたが,見慣れてるとはいえ何度来てもいい庭園です。サイズも大きすぎず小さすぎずで,小一時間歩くにはいい場所です。
 そして,ここで西湖堤を見てたときは,まさかこのときから1年以内に西湖に行く日がくるとは思ってもみなかったんだよなあ(西湖堤の写真がないのはそのため)。人生,本当になにがおこるか分からんです。


 続いて,大田黒公園。知ってましたか,こんな公園。こんな,とか言ったら失礼だけど。恥ずかしながら,知りませんでした。まして,ここが夜間ライトアップを始めるなんて知りませんでした。庭園の夜間公開というと,六義園には行ったことありますが,裏返すとここしか知りませんでした。ほんと,いったいどこで情報仕入れたのよ。そして,こんな素晴らしい庭園を教えてくれてありがとう。いやあ,ほんとよかった。昼間に行ったことがないので,全体的な構造はよく分からんし(なので水に落ちないか不安になる),歴史的な背景とか小難しいことはさっぱりわからんのだけど,コンパクトにまとまった庭園で,六義園ほど広いわけではなく,他方で広く鏡のような静かな池に反射する木々の姿というのは素晴らしい。いやぁ,これ凄いっすわ。ここを無料で夜間公開した自治体も凄い,というか募金式でもいいからいくらか集金するシステム作った方がいいようにも思うけど。


 その後,近くの和菓子屋さんでお菓子を購入。当然店員さんとも日本語でお話し(おいらが多少の援護はするけど)。フランス人とは思えないですね。自分がフランスでこんなことできるか,といったら,まあできませんわ。まあフランス行ってケーキ屋に行くかと言われたら行かんけど。


 そして,中央線でさらに西に向かい,昭和記念公園の花火大会です。この年は確か台風だかなんだかで花火大会が11月に延期になったのでありました。WINS立川協賛ジャパンカップ記念花火大会であります。
 独身アラフォー競馬親父としては,これまで花火大会に向かっていく集団を立川の河合塾や早稲田セミナーで出迎えたこと,あるいは「昭和記念公園に行ってきたよー」という女性からの報告を受けたことはあっても,実際に花火大会に乗り込んだことはありません。まさかそれをフランス人と一緒に行くことになろうとは。世の中,何がおきるか分かりませんな。2018年はただひたすらに忙しかったので,当然花火なんかとは縁が無く(なお,アラフォー独身男性なので,縁のある花火というのは基本的にはナイター競輪やサッカーの試合等で打ち上げられる奴であります)それがまさかこんな時期に花火を見られるとはねえ。
 ちなみに,今のカメラを持って初めての花火だったので,いまいちどうやって撮ったらいいのか分からず。無反省のまま,翌年の別府サマーナイトに臨み,無反省であることを悔いるのですが,やはり無反省にどうしたらいいのか考えないのでありました。


 で,新宿に戻って飲み。なんと,どこでどう調べたのか,掘りごたつのある居酒屋を予約してくれてました。僕なんかよりもよっぽどか日本での幹事能力が高いです。イギリス人は「とりあえず○○時以降にパブに適宜集合」みたいな集まり方しかしてない印象で,その対岸のフランス人も似たようなもんだろと思ってましたが(まあフランスにパブ文化があるという話は聞いたことがないけど),すげえな。


 そんなわけで,僕よりも日本に詳しいフランス人(ただし僕だってフランスの競馬については彼よりも詳しい自信がある)との楽しい1日は終わったのでした。
 遠くフランスから日本に来て,(別に通訳なんて必要ないくらい日本語ペラペラなのに)貴重な1日にわざわざ僕を誘ってくれた彼には本当に感謝してもしきれません。友人というのは本当にありがたいものです。


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