リクノマツシマ〜三景松島杯その5

 前のページに書いたとおり,松島観光という場合,一般にみんなが巡るのは松島湾内の海と,本土,あとは五大堂と雄島の2つの島,そして武器のある人は四大観。今回は時間が無いので,五大堂と陸側の寺院を巡っただけで終わりました。松島に行ってるのに,実際のところほとんど「島」には上陸してないことになりますな。

 なお,ここにきてネットに繋がったので日本三景を調べてみました。日本三景には公式サイトがあり,そこによると,林春斎という儒学者が言い出したことのようで,さらにWikipedia大先生によると,貝原益軒が日本三景という言葉を出していたようです。いずれにしても,江戸時代の早い時期の儒学者軍団が名付けたってことですね。

 で。とりあえず上陸を果たしたので,まずは五大堂。東北最古の桃山建築らしいんですが,もちろん「桃山建築とは何か」なんてわかっちゃいません。桃のマークでもあるんだったら分かるんですが。
 くだらないことはさておき,桃山建築がなんなのか分からない以上,自分にとってのポイントはここに渡るための透かし橋です。「橋げたの隙間から海が見え、五大堂へ行く際に足元を見て気を引き締めるために造られたと言われている」とのことであり,まあもしかしたら現代人向けにアレンジされている可能性もありますが(正直気が引き締まるほど危なくない),とにかく下が見える面白い橋になっておりました。こういう発想が面白くていいですね。

 
日本三景です 五大堂のある島
(島の名前が分からん)
透かし橋!
八幡宮 五大堂 五大堂の島から海を見る

 続いて,瑞巌寺に向かいます。王道観光コースであります。
 ところで,NPが歴史小説,ひいては戦国時代に目覚めたのは山岡荘八の伊達政宗が発端であります。信長の野望よりも前に伊達政宗がいます。というわけで,伊達政宗という大名,ひいては伊達家については非常に思い入れがあります。そんなわけで,仙台という場所や政宗ゆかりの地には昔っから行きたかったんですね。てことで,伊達政宗の菩提寺である瑞巌寺にはかなり気合いを入れて臨むことになります。寺院に参拝するのに気合いもへったくれもないような気もするけれど。

 さて,山門をくぐって中に入ると……右手にみえるのは多くの洞穴。なんだこれ。すごい。こんなんあるなんて聞いてない。いやぁ,面白い。寺院にある洞窟群というと,鎌倉のやぐらがパッと思い浮かびますが,ほかではなかなか見ないように思います。東北の寺院ってこういう洞窟を掘る文化があるんだろうか。いやぁ,まさかこんなもんがみられるとは。

山門 解説 正面の鰻塚が目立ちますな 彫刻をアップで 仙台二高の英霊碑
手前に西国三十三カ所の写し,奥に洞窟遺跡となっております
三十三カ所の石仏は昭和に作られたようなので,
比較的新しいですね
懐かしの紀三井寺 洞窟の造営は鎌倉期ってことはやぐらの流れを汲むんでしょうか?

鳥魚菜塚
松もすーっと伸びてて素晴らしい まだまだあります どこまで天然で
どこから人工なのだろうか
鉄道殉難者の碑 参道竹飾り 参道

 と,いうわけで,参道を歩くだけでおなかいっぱいです。いやぁ,素晴らしい。ほんと,どこまで天然でどこから人工か分かりませんが,とにかく素晴らしい洞穴群でした。人間って凄いですね。あと,こういうときに「ここの岩は○○岩だから硬くて現状」「○○岩は加工しやすいんだよね〜」とか語れる地学知識がほしいです。

 さて,いよいよ奥に向かっていきます。
 この日は本堂等が改修工事中だったため,普段非公開の霊廟等が公開されておりました。伊達ゆかりの場所であればまた来る木にもなりますし,これはかえってよかったよかった。

ブロンズ製延命地蔵
あえて銅製と書かないところにこだわりを感じます
鉄塔
おそらくお経が掘られてます
ご案内 Now Under Construction
妖艶です 玄関 庫裏へ 光雲観音 庫裏内部
食堂
じきどうと読みます
歴代位牌 庫裏守護神
仮本堂 仮本堂へ 歴住位牌 開山像
ここにも地震の爪痕 ご本尊 初代・二代御位牌
松島方丈記 羅漢の間 雲板&火用心扁額

 もうここまででさらにおなかいっぱいです。写真撮影可だったからなお記憶喚起的に助かります(いかんせんメモが全て消えている)。
 ですが,まだまだ先に続きます。入場料700円はぱっと見お高いですが,正直これだけ見せてくれるんなら十分見合った値段だと思います。

 そしてやってきた御霊屋寶華殿。平成18年に復元修理されたようで,とてもきれいです。

ここをくぐって先に進む 御霊屋への道
美しい! ここにも洞穴 夫婦欅

 続いて,宝物館。ここは当然撮影禁止であります。
 さすが伊達家の菩提寺だけあって,一時院が所蔵するレベルの宝物じゃあないですな。
 で,改装中の本堂前にある臥龍梅。最初の案内で見られないような案内でしたが,ここまで入ることができました。

あらためて,庫裏
この手の物見櫓を寺院に作ったのは
なぜなんでしょう?
臥龍梅・紅
臥龍梅・白

 最後に法身窟。北条時頼って諸国行脚してたんですね。そんな暇があったのか……まあ,時頼期(行脚してたんだから時頼が執権になる前か)って鎌倉北条政権の安定期なイメージはありますが(と思って調べてみたら,宮騒動やらなんやら,全然安定してなかった)。ところで,北条時頼っていうと大河時宗の最期に至るシーンが非常に印象的でした。Wikipedia氏に聞いてみたら,享年37とか。そんな若くして亡くなってるのか。

法身窟 鎮海・揚柳観音 六地蔵塔 所狭しと納められている,というより
ゴミダメ化してるように見えてしまう…

 そんなわけで,よーやく瑞巌寺終了。時間があまったらもう一回松島湾云々なんて舐めた考えをしてすいませんでした。こんな寺院があったら時間があまるはずがない。

 続いて円通院。Tripadvisorではこっちの方が評価高いですね。
 日が傾いてきていて,入って左手の枯山水庭園が最初逆光でした。まあそれはともかく,ここ円通院の最大の見所は奥にある三慧殿。最初に行ったときは怪しい格好(支倉常長だと思われる)をしたおじさんが参拝者に解説をしていて,ちょっと遠巻きに解説を聞いていたら巻き込まれました。でもまあ,話のうまいおっちゃんだったので楽しかったです。

 まあ詳細は解説見ればいいのであえてここで自信満々に又聞き知識を披露する必要もないのですが,とにかく,「随所にちりばめられたキリスト教的意匠」「幕府の目から隠すために封印」「その結果として今も綺麗に残っている」という流れが,歴史の皮肉も含めて素晴らしい。いやはや,ほんと世の中って何がどう影響するかわからないですね。

縁結び地蔵 石庭(天の庭と地の庭)
石庭再訪 遠州の庭。ちょっと自分には理解できない世界観だな… 伊達宗高ってことはわりと新しめ
三慧殿
支倉常長が持ち帰ったのが
日本最古の洋バラとのこと
てことで,バラ園であります 本堂 ご本尊 ここにも洞穴 おんこ
八方睨みの名木で,
樹齢700年以上とか

 で,ここまで終わって16:48。「時間があまったら」とか考えてた自分をぶん殴った方がよいですね。というか,まあ,多賀城と松島っていう重い観光地を回るのに朝方に仙台をふらふらしてたアホはどこのどいつだ,って感じだな。

 最後に,五郎八姫御霊廟のある天麟院。解説の文字がかすれてました。この場所にあって管理する人が誰もいないとも思えないんですが…。そして,御霊屋は工事中。工事中ってことはやはり管理する人はいるんだな。てことで,あまった予算で解説板を修復して下さい。

天麟院 いろは観音 延命地蔵 五郎八姫御霊屋

 天麟院の奥には日吉山王神社。お祭りを控えているようで,いろいろ盛り上がる気配を感じさせる境内でありました。

幟が立ってます 神社部に鐘がありました 御神輿 拝殿 翌日が例大祭

 そんなこんなで,これまで松島っぽいものを食べてないことに気付いたので,なにか食べます。食べたいんですが,5時をまわって観光客向けのお店は閉店モード。というわけで,駅前で松島というより仙台銘品の牛タンを食すことにしました。特に牛タンマニアではないのでこの牛タンが一般的に仙台で期待される牛タンのレベルから見てどうなのかとかはさっぱり分かりませんが,とりあえずおいしかったです。満足満足。
 そして,まだ牡蠣を売ってる店があったので,牡蠣を食べて,この日の宿に向かうことにしました。

松島海岸駅 牛タン 牡蠣

 ところで,松島って由緒正しき観光地なだけあって,基本的に宿泊料が高いですよね。ちょっとびっくりでした。でも,高台から松島を眺められたのでよかったです。

ホテルに向かう道中の景色 部屋から 翌朝部屋から NP的にはエコではなかった
ですが,松島相場だと
確かにエコでした

 そんなわけで,就寝。明日は涌谷。寝坊すると大惨事なので,寝坊できません。緊張しますね。

仙台東北歴史博物館多賀城跡松島瑞巌寺東北輓馬大会涌谷天平

旅行記TOPテーマ別