多幸あれ岸和田その2

 いよいよ,岸和田城であります。
 岸和田は関西国際空港から近いので,「世界に一番近い城下町」というキャッチコピーで売り出そうとしておりました。「城下町」という広い意味を持った言葉だと福岡が「いやいやうちの方が近い」と対抗心を燃やしてきそうな気もしますが,博多っ子はそんな売り出し方しなくても十分観光資源を持っているので問題ないのかもしれません。福岡競艇vs岸和田競輪の仁義なき戦いはまたいずれどこかの機会で行われることでしょう。

 さて,紀州街道から大通りに向かうと,いきなり雄大なお堀と石垣が目の前に現れます。いやぁ,この景色,いつどこでみてもいいですね。
 お堀もしっかり残ってて非常に美しいです。
 これはこの先も期待が持てますね。いやもちろん待ち構える天守は元5層の天守を3層で復興したというよく分からんものなのは合点承知の助でありますが。

石垣 お堀

 さて,こなから坂を登っていきます。噂ほどきつい坂だとは思わないけどなあ。
 右手には市役所。どうも市制施行90周年で盛り上がっているようであります。

市役所 公衆電話もだんじり仕様 市民憲章

 そして,二の丸側に乗り込みます。
 旧二の丸は現在公園になっていて,松の木が植えられておりました。緑って気持ちいいですね。悪く言えば散歩以外に使い道のない公園となりますが。これだったら二の丸御殿を再現してほしいなあ,と思ったり。
 そして,公園脇には櫓状の建物。二の丸多聞と名付けられております。何かと思ったらトイレでした。一応このあたりに伏見櫓が存在はしていたようですが,おそらく外観をそれに合わせようとはしていないと思われます。

二の丸公園 Toilet トイレの窓から撮影したお堀

 ここで,いったん脇の公園に降りて再度外堀(とは公式には呼ばれてないようですが,便宜上)へ。
 この,自然と一体化しているようにみえる石垣が好きだな−。

公園 マンホールはしゃちほこ
……特に鯱アピールしてないような
この石垣が美しい!! お堀 ちょっと角度を変えて 消防功労者 BBQ禁止

 そして,このまま本丸に突入してもよかったのですが(あとから気付いたのですが,どうも本丸オープンが10時だったようで,そもそも突入できたか分からない),岸城神社に寄ってみたかったので,本丸の堀のまわりを歩きます。
 このお堀と石垣の様子は美しいのでありますが,お堀と道路との間に木が並んでいるため,なかなか枝や葉が入り込まないような写真を撮れません。まあ,写真のために道路設計する必要なんて全くないわけですが。しかもコンデジで動いてる奴に文句言われたくないだろうな。
 てなわけでして,お堀のまわりを歩きつつ適当に撮影。本来5層であった天守を3層で立て直したという,戦後期にとりあえず何が何でも観光資源がほしかったのであろう時代背景をかかえる岸和田天守。最初は図書館として建造されたらしいですね。このへんに財政事情が窺われます

思いやり通行 本丸への渡り石垣方向 天守方向
石垣が出っ張ってます
水は緑
ここから外に出られるんだろうな 天守が見えました 石垣美 天守と石垣 角を曲がりつつ,天守,石垣,お堀
いい姿 いい石垣 もう少し正面より 水はけのための穴 ここで本丸からお堀に出られる設計

 そんなこんなでいったんお城に別れを告げ,岸城神社であります。
 お城の横に神社があるのはどこも共通ですね。それにしても,このテの説明書には神仏習合期のことがあまり書かれていないんだよなー。日光寺(廃寺)と書くなら,このお寺についてもう少し触れてほしいところです。ほんと,現代人からしてみると神仏習合期と神仏分離期の状況の想像がつかんな。
 あと,岸和田の狛犬全般に言えることなんですが,足にカラフルな糸が巻き付けられております。狛犬にそこまで詳しいわけではありませんが,これって岸和田特有なんでしょうか?とりあえず他で見た記憶がないような……。

鳥居 社号標 明らかに何かを消した跡
なんて書いてあったのだろうか
足元の糸
市がつくった説明
神社作成の由緒書は
ガラスにNPが写ったためアップしません
手水舎 親亀子亀 手水舎の上 鳥居 拝殿
神馬 拝殿
表情が愛くるしい
別角度 開運の絵馬 天狗 絵馬 船組合
御祭神分からず 神馬殿 白馬です お稲荷様
唐突に交通安全が登場するのが面白い 稲荷社 キツネ キツネその2
摂社末社 狛犬 戎神社の七福神 御由緒
2組の狛犬

 さて,岸城神社を出てお堀の方に行くと,お不動様と観音様がおられました。見たところ,石仏自体は新しそうなのでありますが,どういう経緯でここに不動明王と観音菩薩が奉納されたのか分かりません。横に建物があったのですが,中には地元の方がいらしたので入ることもなく外観だけ撮って去ってしまいました。廃寺となった日光寺と何か関係があるのでしょうか?
 不動明王の台座には岸和田市長の名前があります。てことは岸和田市のお金で石仏をつくったのでしょうか?でもそんなことやったら政教分離云々で問題になりそうなので,個人で寄進したのでしょうね。
 あと,横に置かれた「賽銭箱・心の募金箱」って,賽銭箱なのか募金箱なのか,募金するとしてそのお金が何に使われるのか,部外者にはよく分かりません。まあ気にせずお賽銭を入れてしまいましたが。単に「募金箱」とせずに「心の」を付け加えるあたり,おそらく信者さんたちのいろいろな議論を経てつくられたのではないかと勝手に想像します。

不動明王 無量力観世音菩薩 賽銭箱 棒ってなんだろう? 生活感にあふれてます 中は社交場 弁天龍王 「神仏が見ていますではなく,
「学校のカメラが見ています」という
なんとも現代的な龍王様

 そして,正面から天主。
 横から見るととくになんとも思わなかったのですが,正面から見ると背が低くてなんか不格好です。でも,少しずれて斜めの角度からだと石垣のかたちも相まって美しい。ちょっと角度を変えただけでここまで印象が変わる城ってのもなかなかないな。
 あと,石垣のこっち側(東西南北分からん)には犬走りがあるんですが,犬走りにしても広いような気がします。で,気になったので個人的に犬走りのある城の代名詞である今治城jにいった際の写真を確認したところ……石垣の写真がほとんどなかった……。記憶する限り今治城には3回は行ってるんだけどなあ。なにやってんだか。

正面
この角度は個人的にイマイチ
でも,斜め角度からだと個人的にはかなりお気に入り

 さて,ここ岸和田城には五風荘という庭園があります。現在は民間の会社を指定管理者にして運営されているようであります。
 庭園好きとしては興味のあるところでありましたが,時間が無いのと入れるのかの確認も面倒だったのでパス。

五風荘 由来 入口の木々

 さらにお堀のまわりを歩いて,いよいよ本丸突入であります。
 堀沿いにある,犬のフンの張り紙を撮影していたら,地元の人にかなり変な目で見られてしまいました……。「小便」が入った張り紙は珍しかったので他のものを確認してみたかったのであります。で,確認したところ,他のものはやはり「糞」限定でした。どの張り紙が一番新しいのか分かりませんが,あえて小便を入れるからにはなにか小便で汚されたんでしょうな。でもそれって犬ではなく人間の可能性もあるような。あるいは某大宮競輪場のように「立小便禁止」と書くと下品だからあえて犬を使ったのかもしれません。

石垣 石垣と塀と櫓 糞だけでなく小便も ほかはフン 薬園跡
お庭と薬園はセットですね
石垣とお堀

 そんなわけで,本丸です。
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